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中国の戦争力を考える(後半)

中国での仕事を終え、再び帰国と。
円高痛いぜ、元建て資産が目減りする・・・。

さて、では続きを。
シナリオ1の「台湾占領を目指す戦争」は、推移は複雑であっても結果は非常にシンプルだ。
要は台湾占領に失敗したら中国の負け。占領に成功したら中国の勝ち。これだけなので分かりやすい。

繰り返し言うが、戦争とは戦場だけで行われる物ではない。
このケースの場合、台湾は戦場で必ずしも勝たなくて良い。占領さえ阻止すればよいのだ。
具体的には中国側の仕掛けてくる上陸作戦を破綻させれば良いのである。
いや、それどころか、アメリカを参戦させることができさえすれば良いとも言える。

逆に中国側は戦場で勝たなければ目的を達することは難しい。
空と海の戦いに勝たなければ、大規模な上陸作戦を行うことはできないからだ。
(奇襲的な小規模上陸作戦は可能だが、それだけでは台湾を屈服させることはできない。)
しかもアメリカ参戦までのタイムリミットを考えると、緒戦で大勝しなければ無理といってよいかもしれない。

実際のところ、台湾の軍事占領は中国にとって非常に難しい戦争と言える。
しかも戦争になってしまえば、台湾は独立宣言(正確には建国宣言)を行っても良い条件が整うので、
引き分けというシナリオは無いように思う。
中国が困難なミッションを達成して勝利するケース以外は、全て中国の敗北と認定されるのではないかと思う。

シナリオ2の南シナ海、尖閣諸島など海洋の諸島領有を目指す戦争について。
尖閣諸島は台湾占領と同じパターンだ。ただし、軍事的にはハードルが低い。
人口2000万の大きな島である台湾を占領するのに比べれば、無人島の尖閣諸島を占領するのは困難ではない。
しかし、政治的なハードルは更に高いといえるかもしれない。
台湾を占領してから尖閣に挑むなら、中国側にとって余裕のミッションと言えるが、
もし、台湾より先に手を出そうとするなら、日本を正式に敵国とする非常にリスクの大きな戦争となる。

よって、正攻法であれば台湾より先に尖閣を攻めることはあり得ないと言って良い。
しかし、実際には中国は正攻法で尖閣諸島を取ろうとは考えないであろう。
むしろ偽装漁民を遭難させて尖閣に上陸させ、それを中国軍が保護するというような絡め手を使うはずである。
よって、現在進められているように、すぐ近くの南西諸島に自衛隊を常駐させるとか、
LCAC(軍事用の大型ホバークラフト)を離島防衛に活用する案などは、完全に正解と言える。
いかにもな大型の軍艦よりも、奇襲的、突発的な事態に対応する能力が必要とされる。

また、中国が欲しているのは尖閣諸島の島そのものではなく周辺の資源であるから、
現在中間線付近で行われているような資源の「盗掘」も進めてくるのは確実である。
この点への日本の対策は自民党時代、民主党時代共に全く不十分であり、政治的な意志の強さが欠けている。
領土そのものだけでなく、周辺の領海を守るという意思を政治的にはっきりさせない限り、
中国の資源盗掘への有効な対処は不可能である。

南シナ海における小島の領有権争いは、中国にとって比較的やりやすい戦争といえる。
東南アジアの国々は軍事的にそれほど強国ではないため、強力な戦闘機を南シナ海に展開することさえできれば、それ以上戦闘を激化させること無く、各島を中国の支配下に置くことができるからである。
よって、順番的には中国は南シナ海を最初に目標としてくると考えてよいのではないか。
というより、南シナ海の紛争で勝てないようなら、中国軍は日本や台湾を脅かす戦力にはなり得ない。

しかし、東南アジア諸国も手をこまねいて見ているわけではない。
特にベトナムは、ロシアから中国の新鋭機と同等のSu-27戦闘機を12機導入して運用しており、
更に中国の空母に対抗するため、ロシア製の強力なキロ改級潜水艦を6隻導入しようとしている。
これがうまく活用されれば、中国軍の空母はそれだけで無力化される可能性がある。
ただし、ベトナム海軍の潜水艦活用能力は、現有の潜水艦が北朝鮮製のポンコツ2隻を有するのみであるから、
まだ非常に未熟であり使いこなすには10年かかると見てよかろう。
そして、それは中国側の空母にも言えることである。
どちらもハードウェアをやっと手に入れただけで、まともに活用するには、まだまだ時間がかかる。

後は中国軍が開発、あるいは導入している兵器について、私が思うところを見てみよう。
1.間違い兵器・・・中国が導入するべきでは無かった兵器。
  ・空母…無駄に目立つ高価なおもちゃ。防衛には不向きの侵略用兵器だが、コストが高すぎる。
      複雑なシステムや役割を有機的に連携させる必要があり、中国人に使いこなせるとは思わない。
      潜水艦を使える周辺諸国は、中国の空母保有を歓迎してよい。壮大な自爆である。

  ・ステルス戦闘機・・・形はそれらしくなっているが、それ以上のものではないと思う。
     戦闘機用エンジンや高性能コンピュータ、ソフトウェアなどは、まだ中国には用意できない。
     また、そもそも中国に必要なのは侵略用のステルス爆撃機であって、ステルス戦闘機ではない。
     ステルス機を「新時代の強い兵器」程度にしか理解してないのが見て取れる。
     中国の兵器導入にはステルス戦闘機に限らず、「戦略思想」が見られない。
     おそらく、上層部が相当な能無しであると推測される。

  ・無人機・・・無人機は危険性の高い地域に人命を失うリスクを犯すことなく送り込める兵器だ。
     つまり、人命を度外視してよく、また度外視するべき中国軍には無用である。
     無人機を導入することで「兵士の命は大切だ」という意識が芽生えたら、中国軍は一気に弱体化する。
     中国軍の性質そのものを変えかねない無人機導入は最大の過ちだと思う。
     「戦死すれば烈士になれる」という洗脳で人命を使い捨てるのが今も中国の強さである。

  ・対空母弾道ミサイル・・・珍しい中国のオリジナルだが、たぶんトンデモ兵器の類。
     普通に考えて当たるとは思えない上にコストが高い。無駄遣いと断定してよさそう。


2.正解兵器・・・中国軍が導入し、かつそれが正解であると考えられる兵器。
  ・J10・・・今後、中国航空戦力の主力を担う国産戦闘攻撃機。
     やはりエンジンに欠陥がある(寿命が異様に短い)ことが暴露されているが、
     将来を考えた時に作っておかなければならなかった兵器と言える。
     新鋭機ではないが、近代的な戦闘機として活動できると見ておいたほうがよい。

  ・J11・・・ロシアのSu-27系の戦闘機。
     中国軍が所有する戦闘機で、最も確実な働きをするであろう主力機。
     特に航続距離の長さは広大な南シナ海の紛争地域をカバーするのに向いている。
     東南アジア諸国にとって、最大の脅威といえるだろう。

  ・キロ級、元級潜水艦・・・空母などよりもはるかに厄介な兵器。
     シーレーンの封鎖、アメリカの空母接近阻止など、実際的な使い道がはっきりしている。
     何となく導入されただけの派手な兵器より、よほど実戦向きの近代兵器。

  ・対衛星ミサイル・・・GPS衛星を打ち落とせるかもしれない宇宙兵器。
     GPSを無力化し精密誘導が不可能になれば、泥仕合にもつれ込み中国有利となる。
     中国にとっては、国際世論の非難を押し切っても持つだけの価値はあったと言える。


3.必要兵器・・・まだ中国が不十分だが、今後持つべき兵器。
  ・AWACS・・・戦場を空から見渡し、戦況を把握する航空司令塔。
     以前、多くの開発者ごと試作機が墜落してしまい開発が遅れている。
     エレクトロニクス、精密機械、ソフトウェアと中国が苦手な高度技術が大量に必要。
     よって、各国は中国のスパイに厳重に警戒しなければならない。

  ・攻撃ヘリ、輸送ヘリ・・・対台湾、対国内反乱を考えるなら必須の兵器。
     また、対潜ヘリも強力な自衛隊の潜水艦用に揃えておきたいところだ。
     なぜかヘリは他に比べて開発が後回しにされている印象を受ける。

  ・ステルス爆撃機・・・制空権を取らなくても攻撃をかけられる。防衛には全く使えない侵略用兵器。
     中国軍は伝統的に爆撃機に興味が無く、今も旧型の爆撃機しか持ち合わせていない。
     台湾攻撃には極めて有効な働きを示すだろう。


中国の兵器導入についてまとめると、一貫した戦略思想が欠けているとしか思えない。
個々に強そうな兵器を導入しているだけで、それをどのように組み合わせて運用するのかは考えていないようだ。
これは兵器だけに限らず、中国人は「システム」として物事を見ることができないからだと思う。
例の高速鉄道にしても、日本は新幹線を列車、レール、整備、ソフトウェア等を組み合わせた
「システム」として使っているのに対して、中国人にとっての新幹線は「早いスピードが出る車体」でしかなかった。
これは中国社会のどこでも同じように見られる性質であり、軍でも例外ではなかったということだろう。
むしろ、軍だけが例外であったなら、その方が驚きであるが・・・。

危機管理の基本は状況を悲観的に見積もっておくことなので、中国軍が手ごわいことを前提にするのは良い。
しかし、おそらく彼らは所有するハードウェアの割には大したパフォーマンスを発揮できないと思う。
軍全体の仕組み、各部隊の連携、複雑なシステムである大型兵器の運用においては、
やはり中国らしさから抜けられないように思える。
中国を警戒するなら、彼らの得意とするリソース(人命を含む)の大量導入と使い捨て、
そして、あっさりと宇宙兵器の開発に踏み切ったり、戦場以外も戦場として扱うと言う
「超限戦」の概念を提唱したように「限度を無視する事」を警戒すべきだと思う。
その二つを生かせない状況に追い込むなら、中国は決して恐ろしい相手ではない。


      
       
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テーマ : 中国
ジャンル : 海外情報

tag : チャイナリスク 中国の戦争 中国の戦略 中国政治

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