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中国政府の人民監視網

中国政府最大の脅威。それはアメリカでも日本でも無く、中国人民それ自身である。
中国政府は一貫して人民の「個人情報」を収集、管理する事を重視してきた。
ますます重要になっている中国政府の国内統制。その一端をまとめてみよう。

・人事档案
 共産中国建国以来、つい最近まで人民の個人情報を管理してきたツールがこれ。
生まれの情報も入っているし、犯罪歴、政治的に問題ある行動、学校での態度も全て記録されている。
一生付きまとってくる内申書のようなものだと考えればいいだろう。都市住民のみが対象と思われる。
文革の時などはある事ない事が恣意的に書かれ、弾圧やリンチの材料となった。文革終了時に多くの政治的な資料は焼き捨てられたが、制度そのものは残った。
 外資を含む企業でも管理されており、中国人にとって、档案に何が書かれているかは人生に大きな影響を与える圧力の一つであった。なお、本人はこの書類を閲覧する事ができないため、どのような記述が自分にマイナスとなっているかすら知ることはできない。(とんでもないデタラメが書かれていて、大きなマイナス査定を受けているかもしれないということ)
また、私自身が直接聞いたケースでは、この档案を管理者が紛失した事例が複数あり、中国らしくいい加減な管理がされていた事がうかがえる。この場合、就職などで不利な扱いを受けるが、私が働いていた企業は外資であったため、あまり問題視する人はいなかった。まあ、内容も適当な事が書かれていたりするのだろうと想像はつく。
 最も、ここ数年はこの紙データの重要性は急速に薄れており、次世代型のデジタルな情報管理に移行しつつある。

・デジタル身分証
 日本では身分証として使える物(免許証、パスポートなど)はあっても、身分証そのものは(まだ)無い。現在の中国では、デジタルIDカードが全員に付与されており、これが身分証として決定的な重要性を持っている。ここ数年で、紙ベースの档案から、この身分証による管理に置き換わってきている。これは都市住民以外も、ほぼ全員が対象になっているようだ。
具体的にどのように管理されているかというと、長距離電車(都市間の移動)、ホテル、ネットカフェ、大型施設などの利用履歴は、全て記録されている。
 これらの情報はすぐに利用されるという事はないが、一度当局に目をつけられると、過去の履歴を徹底的に洗われる材料となる。確認は取れていないが、ネットでの検索履歴や書き込み履歴なども保存されているのではないかと見られている。最近では、中国版ツィッタ―であるweiboも実名登録が必須となり、その書き込みもチェック対象となることが決まった。
中国のBBSは、基本的に身分証番号を伴う登録制であり、2chのような匿名BBSは一般的ではない。
 驚異的な規模で行われている身分証の管理も、実務レベルでは結構いい加減であり、身分証番号がダブっているとか、保存データに明らかなエラーがあるといったケースも報告されている。

・VIP待遇(自分が勝手にそう呼んでいるだけで正式な呼び名は無い。)
 さて、当局から反体制的な言論などで目を付けられた場合、メール、電話の盗聴も行われるようになる。また、国外へのメール送信が不可能になったりもするため、このVIP待遇を受けるようになると、社会的に孤立するなどの深刻な実害が生じてくる。チベットやウイグルでの弾圧がおこなわれている際、ネット環境がある地域の出来事でも現地情報が流れてこないのは、通信が遮断されるためである。
 更に危険視されている場合には、重要なイベントの前に誘拐されて監禁(中国の隠語で「かくれんぼ」と呼ばれる)されたり、秘密裏の裁判で強制収容所に送られる事もある。ここまでのVIPになってしまった場合には、国外とのつながりが文字通りの生命線となる。アメリカなど他国の政治家に懸念を表明してもらえれば獄死を免れる事ができ、釈放後は亡命する事も可能かもしれない。政治家の懸念表明など単なるポーズにすぎないじゃないか、などと一般的には思われているような気もするが、その一言が収容所内の勇気ある1個人の生命を守っている(文字通りの意味で)事もある。逆にいえば、国際的に注目されていないケースでは、収容所から生還できない可能性が大いにある。よって、反体制的な思想を持つ人は、まずはVIP待遇に陥らないよう慎重に活動するべきである。

・上に政策あれば下に対策有り
 非常に広範な日常生活にまで張り巡らされたIDカードの監視網。実はすでにこれをくぐり抜ける方法を聞いている。
自分の友人もやっているが、この方法は、まだ政府が取り締まれていない方法なので公開はできない。多少のお金を使う事で、監視網を潜る2つのツールを買うわけだが、政府に監視される事を嫌う人々には非常に便利な道具である。この方法がもっと広範に知られるようになった頃、あるいは政府の取り締まりで使えなくなった頃に、どのような流通ルートで何を手に入れるのか、またその相場や注意点なども公開しようと思う。



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テーマ : 中国
ジャンル : 海外情報

tag : 上有政策下有対策 チャイナリスク 中国政治 反体制

2012年の中国

色々と書きたい内容は溜まっているのだが、なかなか時間が取れない。
とりあえず、ここ数年のお約束みたいになっているので、中国の今年1年を考えてみよう。
中国人の感覚では、春節明けの2月に新年を実感する。1月1日はあまり大きな意味を持たない。

さて、今年の見所はやはり権力の移行と、それに伴う社会へのインパクトだ。
トップである党主席、中央軍事委員会主席、国家主席は習近平で確定であろう。
一部では、習は脳無し説も出ているが、自分は習が指導者として無能だとはまだ思っていない。
派閥間の争いをうまく利用するバランス感覚はあるようだし、最高指導者は一個人として仕事ができる必要はない。
(逆に胡錦濤は一個人としては有能だったが、指導者としては疑問が多かったと思う)

一方で、首相については意外と混迷状況にあるらしい。
本命は胡錦濤が推す李克強なのだが、ここにダークホースが1人現れた。彼は王岐山という。まあ、あんまり聞きなれない名前だろうな。何で彼が候補なのかという理由はたった一つ。「金融のプロフェッショナル」なのである。
ここ最近、温家宝はバブル潰しに熱心であり、その反作用として産業界の反発を買っている。中国は不況なのである。それなのに金融引き締めを続けるとは何事か、というわけだ。そこで、「政治家」李克強ではなく、「金融屋」王岐山を推す声が高まっているのだ。
まだ、どちらが首相の座を手にするかは分からない。本人たちにも分かっていない。
しかし、どちらが首相になるかは中国がどのような国家になっていくのかを大きく左右する重大事である。
(この2人以外の第三者という可能性も残っている)

李が首相になり、現政権の和諧社会イデオロギーを受け継ぐなら、中国経済は更に失速するだろう。
しかし、貧富の格差は少し和らぐ可能性がある。中堅民間企業の多くが潰れ、みんな苦しくなるのだ。
中国の勢いは弱まるが、慌ただしくゴミを量産するような社会からは抜け出す事ができるだろう。
うまくいけば高付加価値製品を生産する次世代産業も育つかもしれない。
うまくいかなければ、次世代産業への脱皮に失敗し、長期不況コースとなる。
こちらのルートは正攻法ではある。不況中に質のアップを目指すのは市場経済の基本ルートだ。

王が首相になり金融緩和、景気対策がうたれた場合、中国はバブル3週目wwに突入する可能性がある。
(欧米の不景気から、どうせ実業は不振なので、増えた資本は設備投資ではなく、投機と浪費に回る)
一方で資金繰りに悩む中小民間企業は、かろうじて首をつなぐことができるだろう。
貧富の格差はさらに広がり、高付加価値化転換へのモチベーションを削がれた企業は、再び無駄の多いゴミ製品を作る事に没頭するだろう。宿題を先送りする現実逃避ルートと言えるが、表面上の景気は回復する。

中国の経営者らと話をすると、大体、王岐山推しの声が強い。個々の企業としては、それは当然だろう。
中国人経営者も、質への転換を迫られている事は一応理解しているが、資金供給を断たれては技術開発すらできないと言う。彼らから見れば、温家宝は経済がまるで分かっていない、というわけだ。

中国が経済的に失速しつつある事を背景に激化する権力闘争。
今回の権力闘争は、過去に無い非常に広い層で行われているという特徴がある。
江沢民、胡錦濤がトップに着くのは鄧小平の鶴の一声で決まっていた。しかし、最後のカリスマ指導者 鄧小平が指示したのはそこまでだ。次の体制をどうするのかは、もはや過去の長老が決める事ではなく、現在の実力者たちのせめぎ合いで決まるのだ。言い換えるなら、中国の政治体制は、「寡頭体制(貴族制)」に近づきつつあるのだ。
(数年ごとに政治体制の区分が変わってるような気がするんだがw こんな状態で体制維持できているという事は、共産党は確かに有能ではあるのだ。)
現代の「貴族」とは、国家権力の中枢部にいる者、国営企業、大企業のトップ、地方政府の実力者などだ。

ゴタゴタが続く中国の権力闘争だが、今のところはある程度の節度を保った連中が多数を占めているようだ。
太子党(共産党長老どもの子供で、まさに貴族と言える)の中でも、最もキチガイ度が高かった薄熙来は、部下の汚職によって、あっさりと権力闘争から脱落した。周知の事だが中国の高官は全員が汚職に手を染めているので、汚職で処分されるという事は、権力闘争で葬られたという意味で理解しなければならない。薄熙来が蹴落とされた事は、他の太子党が彼のイカれた(毛沢東万歳)思想を快く思っていない事を意味しており、そういう意味では「キチガイ」ではない連中と言える。

絶対的な権力者がいない体制は暴走し難くなる。しかし、それは同時に強い指導力や徹底性を欠く事を同時に意味しており、中国社会が不安定性を増した時に対応できるのかという疑問も生じる。また、中国では権力移行の制度が確立されておらず、権力闘争がどのような形で行われるかというルールが存在しない。その状態で権力闘争の参加者が増えるのは、果たしてどのような結果を生むのだろうか。偶発的な衝突が増えはしないだろうか?様々な実力者の言う事に耳を傾ける指導者は、軍部を抑えられるだけの指導力を確立できるのだろうか?政策決定過程が複雑になれば、他国から見た中国は更に予測困難な行動パターンを持つようになるのではないだろうか?

毎年毎年、波乱に満ちた1年を送る中国。今年もたくさんのネタを提供してくれそうである。
今回はちょっと話がマニアックすぎたかな。



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