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威信の象徴空母。スパイ戦とサイバー戦争

米議会報告書をはじめとする軍事情報アップデートの第三段。
やっと空母の登場です。中国軍拡の象徴として最も目立っているにも関わらずこの程度の扱い。まあ、その結論も知れたものということで。

空母「遼寧」は6万トン級のスキージャンプ式空母であり、30機余りの航空機を搭載することができる。
同報告書の中では、「遼寧」は初期段階の空母運用ノウハウ獲得用に留まると見ており、艦載機であるJ-15は、スキージャンプ方式では26t以上の重量で飛び立つことは難しいとの証言もあげられている。基本的には同艦は戦力として脅威にはならないと見ているようである。

「遼寧」は、中国海軍の威信を象徴する艦であり、政治的な意味合いが強い存在といえる。同艦は練習用であるにも関わらず、その再建は急ピッチで進められ、30か月の工期を15か月で完成させたとされている。この突貫工事のために15名の作業員が事故で死亡した。空母の改修に携わるくらいだから、結構よい技術を持つ作業員ではないかと想像されるが、相変わらず人命の安い国である。

しかし、これは周辺国にとって朗報である。
1.突貫工事で完成させた以上、当然、欠陥がかなり出ているはず。安心のMADE IN CHINAである。
2.工期半分というペースでは、建艦技術の習得、理解も不十分なままに進められた可能性が高い。
3.1,2の問題から、次期空母へのデータフィードバックも不十分となることが予想される。
4.政治的日程に合わせるために突貫工事を指示した軍の上層部は、軍人としてプロフェッショナルではない。

朗報は続く。中国はすでに更に2隻の空母建造に着手していると発表されており、早すぎる空母の追加建造は「遼寧」からのノウハウ吸収は次期空母の建造に生かされないことを意味している。次期空母2隻は、「ワリャーグ」を改修した「遼寧」に続き、やはりソ連の設計による「ウリヤノフスク級」が元になっているといわれている。単純な話、より大型の空母を作るとしたら、自分で設計するよりほかには、ウリヤノフスク以外の候補がないからである。ただし、ウリヤノフスクはソ連も完成させることができず、運用実績は全くない艦である。


さて、これまでは目立った兵器に注目してきたが、目立たない分野にも目を向けなければならない。それは、「スパイ戦」と「サイバー戦争」である。誰もが知る通り、日本は独自のスパイ機関を持たず、情報収集能力、分析能力が低い国家である。とはいえ、偵察衛星は運用できるようになっていることから、アメリカと同様に「シギント(電波等によるスパイ能力)」を伸ばしていこうという意図を見ることができる。アメリカはNSAに代表されるシギントが圧倒的に秀でた国家であり、CIAに代表される「ヒューミント(人を使ったスパイ能力)」も一定のレベルに達している。しかし、実は対中国で最強のヒューミント・スパイ網を構築している国は、台湾である。民族上、言語上の障壁が低いことに加え、国民党時代から浸透させてきたスパイ網は生半可なものではなく、軍の中枢情報まできっちり抑えていることが過去に確認されている。

1996年、台湾の総統選挙を中国が弾道ミサイル演習で威嚇した時、李登輝氏はそれらが「空砲」であり、弾頭が外されていると述べて台湾人を安心させたが、そんな情報が筒抜けであったことに中国側は衝撃を受けたという。また、陳水扁前総統は、中国の対台湾向け弾道ミサイルの配備数を1ケタ台まで把握しており、そのスパイ網が中国軍部の中枢まで達していることを知らしめた。こうしたヒューミントは他の国では構築することがきわめて困難であろう。

一方で中国のスパイ能力も侮ることはできない。ヒューミントでは質より量を地で行くデータ泥棒が多くの大学や企業に入り込んでいるし、民主党政権などは政権の中枢部に至るまで、中国のシンパで固められているほどであった。もっとも、中国が近年力を入れているシギントでは、大きな成果は上がっていないようである。ちょうど先月、マレーシア航空機が行方不明になった時、中国はここぞとばかりにその偵察能力の高さをアピールしようとしたが、結局はすべて誤報であり、他国の救援隊との齟齬が表面化するばかりであった。中国の偵察衛星の解像度、そして映像分析員の分析能力はいずれも高度なレベルには到達していない。


中国軍はサイバー戦争にはなかなか熟練しているといえるだろう。毎日、アメリカの国家機関やシンクタンクにハッキングなどのサイバー攻撃をかけ続けているし、日本でも三菱重工などはサイバー攻撃の被害にあっている。日本のサイバー戦争への備えは極めてお粗末なものであり、とても中国とサイバー戦争を戦うような準備はできていない。この方面の準備をきちんと進めているのはアメリカと台湾である。その他の中国周辺諸国からは、そうした話が聞こえてこない。

総合的に見て、航空戦力や海上戦力という点ではアメリカと日本が強力な戦力を配備しており、対中抑止力のキーとなる存在である。他の周辺諸国も対中抑止力を強化してきてはいるものの、現時点では中国を有効に抑止できるほどの戦力を保有してはいない。スパイ戦、サイバー戦争という分野においては、日本は大きく後退し、中国に対抗できるほどの能力は持っていない。特に情報という点ではアメリカに頼るつもりでいるのかもしれない。日本が後退する代わりに、この点で一部アメリカにも勝る優位点を持つのが台湾であり、国力の差からハードウェアで中国に差をつけられはしたものの、大きな国力を必要としない分野では、きっちり防衛体制を築きあげている。

中国の周辺諸国は、単独では中国の総合力に打ち勝つことが難しいが、複数国家間の協力体制を築くことで、そして、最近はめっきりと精彩を欠くアメリカを東アジアの安全保障体制に引きずり込むことで、中国への抑止力は十分に維持できるであろう。そして、それを可能にしつつあるのは、誰かれ構わずけんかを売って回る愚かな中国自身の欠陥戦略に他ならない。




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