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荒れる中国国内情勢と大きな前進

習近平は間違いなく、独裁者を目指している。
胡錦濤体制や江沢民体制は一党独裁ではあっても、支配層の内部は集団指導体制であった。
しかし、習近平が目指すものは明らかに異なる。

腐敗の取り締まりに名を借りて次々と大物を粛清し、言論統制を強め、軍部への支配権を拡大し、社会の混乱に粗暴な対処を繰り返す彼は、間違いなく独裁者であることを望んでいる。習個人のパーソナリティについては、一般的な分析以上のことは知らないが、国際社会についての無理解と、経済発展至上主義であるよりは時代錯誤の共産主義志向という点で、習政権の実績を見る限り、それは前評判以上に極端なものであったことが明らかになってきている。

石油閥に続いて、前軍事委員会副主席である徐才厚が粛清され、習の他勢力に向けた攻撃はまだまだ続いている。連日のように地方政府の上層部や目立った活動をしている人々が逮捕され、しばしば自殺に追い込まれており、一説には次のターゲットは曽慶紅であるといわれているから、もはや粛清対象にタブーは存在しなくなったかのようである。良かれ悪しかれ、現代の中国を形作ってきたものは成長と不正であるが、それを否定し尽くそうとするかのような習の粛清劇は、いったい何を目指しているのだろうか。

腐敗した上層部のみを叩いているならともかく、習政権は香港の自由に明確な制限を加えつつあり、ウイグルではテロ対策の名を借りた民族浄化まがいの弾圧を続けている。そして、漠然とした「機密情報」の報道を禁止するだけでなく、「非公開情報」のメディア利用を禁止したことで、形式上のジャーナリズムすらも完全に否定してしまった。非公開情報を報道できないメディアは、まさに「党の咽喉と舌」以外の何物でもない。以前に取り上げたようにGOOGLEすら中国では使用できなくなっているし、チャットソフトやソーシャルネットワーク・サービスの利用も更に厳しい制限が課せられるようになっている。まさに全体主義へと至る道を習政権は選択しつつあるようだが、反対勢力がいやに沈黙しているのも気になるところだ。すでに習の暗殺などが計画されていても驚くに値しない状況であるように思う。

中国国内では果てしない粛清劇が繰り広げられているが、そうしている間に日本では対中抑止力を決定的に強化することになる集団的自衛権の解禁が閣議決定された。憲法それ自体を改正するほどの力強さはなかったとはいえ、この政策変更が東アジアの安全保障に及ぼす影響は決定的である。直接的な受益者となるのは、日本、アメリカと台湾である。

日本自身は政策の自由度を特アを除く諸国家の支持のもとに拡大できたから当然として、アメリカは対中抑止を単独で負担しなくてもよくなったという大きなメリットを享受している。節約志向のオバマ政権が歓迎するのは当然である。また、日米同盟をアメリカ帝国システムの一部として見ると、太平洋方面におけるアメリカ帝国の戦力が大幅に増大したことを意味するからTPP交渉など、他の方面へのインパクトも十分に考えられるだろう。・・・というより、他分野にもインパクトを及ぼすよう、日本政府は努力しなくてはならない。

台湾もまた、今回の戦略変更によって大きな利益を得ることができた。中国が台湾への侵略を行う場合、日本の戦力が台湾側に計上される可能性が急激に増大したからである。これによって、中国は台湾への武力行使をこれまでよりもなお一層、慎重に考えなければならなくなったから、台湾有事の可能性は間違いなく低下したといえる。・・・それにも関わらず、馬英九総統がネガティブなコメントを述べたことは驚きというより、その対中迎合の極端さに呆れるしかないものであった。中国との関係を強化したいからとはいえ、彼のスタンスは中国との駆け引きというより、すり寄りと言わざるを得ない。

本来であれば韓国は受益国である。日本の戦力を利用して北朝鮮、中国からの脅威を削減できるからである。ところが、周知のように日韓関係は過去最悪というレベルに落ち込んでおり、韓国政府は自らが煽った結果とはいえ、日本について何かしらプラスの評価をすること自体が国内でタブー化しているようである。チャンスをピンチに変えるかのように、韓国は日本の戦力を敵側にカウントすることに一生懸命である。まともな情勢判断が働いている状況ではなく、日本のルーピー政権をかなり下回るレベルのコメディが一国のトップレベルで演じられているように見える。個人的には冷笑以外の反応を返すことができない。

フィリピン、ベトナムなど東南アジア各国は日本の政策変更を歓迎したものの、彼らは直接的な受益者とは言えない。自衛隊の行動範囲が南シナ海まで延長される見込みは薄いからである。せいぜい敵(むろん中国のことである)の敵が強化されたというレベルの話であり、間接的な受益者に留まる。オーストラリアも同様であるが、彼らは日本のディーゼル潜技術という具体的な獲物を欲しているのであって、自衛隊の戦力それ自体を期待しているわけではないだろう。

集団的自衛権については、関係各国の支持があるに越したことはないが、支持されたから正しいとか、反対されたから間違っているという性質のものではない。現在は中国という巨大な国家がわざわざ悪役を演じてくれているから他国の支持が得られたのであって、それはつまり「日本を利用できる」ということと同義である。そうでもなければ、他国の軍事力の枷が外れることを支持することなどありえない。せいぜい、どの国も当たり前に有している権利なのだから「消極的ながら容認する」というレベルの反応なら上々であろう。

そうした考え方は国際政治においては基本も基本であり、日本もアメリカの戦力をこれまで利用してきたし、台湾やベトナム、フィリピンの地政学的位置を利用するべきなのである。その相互利用が対中抑止を成功させる糧となれば、まさにバランス・オブ・パワーの成功例となり、アジア諸国は相互協力によって大規模戦争を避けることができるだろうし、日本は潜在的な大規模戦争を阻止した立役者として、大きな名誉を勝ち取ることができるだろう。

個人的には対中抑止に参加している国はベトナムを除けばほぼ自由主義国であるから、今のままうまくやれば自由主義圏が平和裏に、あるいは小規模な軍事衝突のみで独裁国家に勝利するというもっとも望ましいシナリオも夢ではないだろうと期待している次第である。・・・ベトナムの民主化ってシナリオはないのかね。

       
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