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変わる国内情勢と周辺環境

バタバタと決まった感のある解散総選挙。
自民党の優位は明らかだが、日本国内、外部要因に色々と特筆すべき変化が起きていることを指摘しておこうと思う。

・焦りを隠さない安倍政権。
 単独の政治勢力として過半数近い圧倒的な支持を得ているにも関わらず、安倍氏には余裕が見られない。
 二期連続のマイナスGDPが、それほどショックだったのか。ライバル政党がいないがゆえに財務省の官僚や党内との駆け引きが激しくなっているのか。多分後者なのだろうが、消費税を5%に戻すことをかけての解散とでもいうのなら盛り上がりもしようが、掲げているのは単なる先延ばしに過ぎず、国民サイドから見るとそれほど意義があるとも思えない今回の解散には疑問が付きまとう。

・実質成長率のマイナス。
 主因は消費税の増税なのだろうが、意外なほどに日本経済には成長力がなかった。
 増税後の駆け込み需要から半年も経つのに市場には疲労感が漂う。オリンピック特需があり、金融緩和を試みている状況においても消費が冷え込むという現状は、今後悪化することが約束されている老齢人口の増大を考えれば、最後の成長チャンスを逃しつつあることを予期させるに十分である。第三四半期の実質GDPは0.5%前後の成長という民間予測に対して、-0.4%という速報値に大きな差異が生まれネガティブサプライズとなったが、速報値なので12月初旬の改定値で修正されるかもしれないと思っている。ちょっと悪すぎるようにも思うし。

・武器輸出、軍事技術輸出の進展
 すでに既知のことと思うが、オーストラリア海軍が潜水艦の更新に日本の「そうりゅう」型を導入することが有力視されている。まず、現在のオーストラリア海軍には国産の「コリンズ」級潜水艦が配備されているが、これがひどい代物として悪名高く、おそらく「Made in China」の潜水艦を下回るできの悪さである。これに懲りたオーストラリア政府は国内産業の保護を犠牲にしてでも「まともな」潜水艦を欲している。対象はむろん中国海軍はじめ、東南アジア諸国が潜水艦戦力の増強に努める中、使えない上に老朽化している「コリンズ」級を置き換えたいのである。
 オーストラリアの海域は世界地図を見直すまでもなく広大である。よって、小型の潜水艦は最初から候補にならず、大型のディーゼル潜水艦で高性能が約束されている艦種といえば、「そうりゅう」型が候補に挙がることは自然であった。というか、自爆覚悟の自主開発を除けば世界中を探しても他にない。ギリギリでドイツの214級(欠陥があることが発覚しているが、韓国でも導入されつつある)が候補になるかどうかというところであるが、多分サイズが足りないと思われる。
 候補としては申し分のない「そうりゅう」であるが、技術漏洩対策、建造ドックが国内2か所しかないのに追加受注が可能なのか、建造は日本かオーストラリアかなど、まだまだ幾多のハードルや障害を克服しなければならない。しかしながら、ひとたび日本が武器輸出三原則を緩めるや、オーストラリアの潜水艦更新を筆頭に、アメリカはもちろん、イギリスとの技術協力、インドへのUS-2救難飛行艇輸出案件、イスラエルとも技術協力進展の動きありなど、様々な協力関係が構築されつつあり、これまで日本があえて活用してこなかった重要な国内リソースが有効活用される動きが見られる。

・原油価格下落に助けられる日本
 一方で原油価格の下落というラッキーな変化も同時に進んでいる。日本のメディアがどのように取り上げているのかは、実はあまり把握していないのだが、原油市場は過去に例がない局面に突入しているのである。急激な円下落にも関わらず、原油価格が上昇しないのはむろん日本経済にとって大変な利益である。これは、アメリカで進むシェールガス革命が従来の原油産出国を脅かしているため、サウジアラビアが対抗策として増産に踏み切り、価格競争を挑んでいるためであるといわれている。ここで、原油の消費者でしかない日本は最大級の利益を得ているのである。
 原油という戦略物質でさえも、代替供給地が登場したことで自然と市場原理が導入されつつあるのだ。ちなみにこの価格競争で割りを食っているのはロシアで、たぶんアメリカ政府は原油価格下落に苦しむロシアを心地よく見下しているだろうと思う。実際、ウクライナ侵略をめぐってロシア政府高官ら個人に対する経済制裁が科されているが、ロシアには原油価格下落の方がはるかに大きなダメージになっている。

・オバマ政権の無能さが悪化
 元々外交無能で知られていたオバマ政権であるが、イスラム国潰しや対中外交において特筆すべき無能さを見せている。イスラム国は「蛇は卵のうちに潰せ」の典型であり、さして力を持たない状態ですら異教徒の人権を無視し、恐怖政治を敷くための虐殺を行い、奴隷制の復活を公言するという実にぶっ飛んだ方々である。ぶっちゃけた話、「皆殺しにして駆除」すべき害虫であるが、オバマ政権は当初は状況を軽視し過ぎ、後になってから兵力の逐次投入という中途半端な対応策を打ち出している。古代から現代まで、反乱や武力衝突の対応策は「やるときは一気に」が原則である。だらだらと長引く紛争は、相手に対応する時間を与えてしまい、コストも多くかかる。巻き込まれる市民の範囲も拡大し、結果として非常に非効率になることがお約束である。

 APECの日程において、オバマ大統領は習近平との会談に10時間もスケジュールを割いたという。中国がアメリカを重視し、アメリカが中国を重視するのはごく当然の判断だろうが、その多大な時間の中でどの程度の成果があったのだろうか。既存の交渉枠組みは維持され、習近平の顔も立て、会談が成功したようには演出されているが、さして身のある決定が下されてはいない。かと思うと、その数日後のオーストラリアでは、名指しはしないものの中国の海洋覇権主義を強く批判し、アジア重視を明言した。実のところ、その場その場で聞こえが良いことをしゃべっているだけではないのかと思わせる。

 ポジティブな面もあれば、ネガティブなニュースもあり、なかなか簡単には方向性を見出しづらいが、現在は速報値におけるGDPのマイナスが過剰に大きく受け止められているように思われるが、一応改定値の発表までは半信半疑で待っていても良いと思う。
 財政規律と消費税増の国際公約とやらに異常な執着を見せる財務省だが、増税後に景気が落ち込み税収が減ったとしても「財務省は責任を果たした」などと開き直るつもりではないかと疑っている。「プラン通りにやった」ということで責任逃れをしたいだけなのではないだろうか。ほとんどが国内への債務とはいえ、無限に国債を発行できるわけではないことは自明である。しかし、人口オーナスに突入している日本経済にとって、重税を課して福祉を維持するというのは非現実的である。リバタリアンとして明言しておくが、今後、日本が「福祉国家」を維持、推進することは自殺行為以外の何物でもない。働きもしない老人を80代後半まで手厚く保護しても、それは何ら新たな価値を生むことはなく単なる浪費でしかない。個人の資本を親や親類などに(投資したければ)投資するのは自由であるが、国家が税金を使ってやることではないのである。
 超高齢化社会における「福祉国家」路線を放棄することを気兼ねなく宣言できるようになったとき、日本の抱える諸問題は根本的に改善されるだろう。儒教的価値観を引きずって自滅の道を歩むことを私は望まない。今後、日本は老人福祉を維持できず、維持すべきでもなく、福祉国家の道を諦めるべきである。



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テーマ : これでいいのか日本
ジャンル : 政治・経済

tag : リバタリアニズム リバタリアン

日中合意文書と首脳会談

久しぶりに動き出した日中関係、さて、政冷経冷の関係に変化は生じるのだろうか。
外務省のサイトにアップされている合意4項目は以下の通り。

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日中関係の改善に向け,これまで両国政府間で静かな話し合いを続けてきたが,今般,以下の諸点につき意見の一致をみた。


1 双方は,日中間の四つの基本文書の諸原則と精神を遵守し,日中の戦略的互恵関係を引き続き発展させていくことを確認した。

2 双方は,歴史を直視し,未来に向かうという精神に従い,両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた。

3 双方は,尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し,対話と協議を通じて,情勢の悪化を防ぐとともに,危機管理メカニズムを構築し,不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた。

4 双方は,様々な多国間・二国間のチャンネルを活用して,政治・外交・安保対話を徐々に再開し,政治的相互信頼関係の構築に努めることにつき意見の一致をみた。

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率直な感想を言うと、笑えるほどぎこちないw。日中関係の冷え込みがよく伝わってくるし、関係の改善が容易でないことが見て取れるので、現状はなかなか良い状態であるといえるだろう。

1.戦略的互恵関係は、前安倍政権の時の戦略でもあるが、「都合のよいところを利用し合う関係」という理想的な日中関係を示している。敵対関係は損失であるし、友好関係は相互理解が不可能な以上、非現実的であるからだ。これは今後、どのように互いを利用できるかという駆け引きや取引の運用によって、損得どうとでも転ぶ話である。

2.いわゆる歴史問題。日本側にとっては未来志向と読めるし、中国側にとっては日本に努力義務(靖国に参拝しない、中国様の歴史認識に洗脳されなければならない)があるという認識で解釈されている文言である。そして、若干の認識の一致という苦笑いを誘う表現が、双方で話がかみ合わなかったことをよく反映している。

管理人はナショナリストではないし、遊就館を見学に行ったこともあるが、靖国史観は笑止なものと認識している。(ブログで靖国って取り上げたことありましたっけ?) 安倍氏が参拝したい、するべきと考えるのは自由であるが、管理人は靖国参拝の必要性は感じない。(ただし、中国などに「行くな」と明言された場合は内政干渉となるので、時の首相が行きたくなくても内政干渉が通用しないことを証明するために、「参拝しなければならない」)

一方で中国政府のいう「正しい歴史認識」は、独裁国家のたわごとで落書き以下の代物と認識しており、それらがぶつかり合ったといっても、それ自体は議論としてはどうでもよいものである。しかしながら、項目2は明らかに日中政府の間で重要なトピックと位置づけられており、実質的に何の合意もなかったにもかかわらず、無理やりにでも4項目に含めなければならなかったという実情がある。

周知のように、この歴史問題は感情的に日中関係を改善することを困難にしており、管理人のように「自由主義圏連合による独裁国家伸長の阻止」を理想的な国際関係と考える者にとっては、格好の利用材料である。双方のナショナリストや自称愛国者たちが、歴史認識にどれほどの情熱を注いでいようとも、分断用の利用材料以上の意味は認めていない。

実際のところ、最も重要なのは3である。これによって、日本政府は事実上、尖閣諸島に領土紛争があることを認めたに等しい。その代償として「危機管理メカニズムを構築」できるのか、できなければ100%の敗北に終わった合意であるし、できたとしても大きな代償を払ったことになり、後日に禍根を残すことになるだろう。3は非常に大きなリスクを孕んだ合意であり、懸念事項である。

4は単なる総論であり、何かしら具体的な合意が示されていないので、「ま、がんばって。ダメでも気にしなくていいよ」。おいうレベルのものである。

さて、疑問なのはこの合意の下で日中首脳会談を実現したとして、それに何の狙いがあるのかということである。双方の指導者が半ばイヤイヤながら、「一応、話し合いができるようにはしておかないと」という程度のノリで舞台をセッティングしようというのか。それとも今後の日中関係構築のための具体的なプランがあるのか、そのプランは潰した方がいいものなのか、得になるものなのか。今後もチェックしていかなければならないだろう。

   
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