スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

言論の自由とテロ

近況について:
実は先月から体調を崩しています。そろそろ回復してくるとは思うのですが・・・。ちょっと更新が滞りそうです。すみません。2/28



 パリでシャルリー・エブド誌を狙った大規模なテロが起き、世界に衝撃を与えた。イスラム圏からもたらされる混乱は911以来、まったく収まる気配がない。それが正当なものであろうと無かろうと、ヨーロッパでのイスラム系をはじめとする移民への反感は、更に大きなトレンドなるだろう。

 イスラム国がその凶暴さで世界の注目を集めていた去年の前半だったと思うが、イギリスのMI6が鋭い分析と警告を発していた。「イスラム国にイスラム原理主義組織トップの座を奪われつつあるアルカイダが、イスラム国へ対抗するために大規模なテロを起こす可能性がある」という。イスラム国とアルカイダは、同じ原理主義を掲げているからこそ、その「労働市場」や「投資家」探しにおいては競合関係にあり、イスラム国が派手にやらかしているということは、その競合相手であるアルカイダも過去の存在とならないために活動を活性化させなければならないのである。さすがは世界有数の諜報機関と思わせる警告を発してくれたものだが、アルカイダ系組織が深く絡んでいると思われる今回のテロを防ぐには至らなかった。

 では本題。今回のテロで「そもそも宗教を愚弄するような内容にまで言論の自由を認めるのか」とか、挙句には「言論の自由には限界がある」という言説が、様々な国、指導者、人々の口から発せられるようになっていることにとても驚いている。管理人の見解(というよりは、リバタリアン・・・でなくとも自由主義者は同意するだろうが)は、「言論の自由、表現の自由は無制限」である。

 言論の自由に価値を認めない人は、そもそもこのブログの読者ではないだろうから、その範囲が無制限であるべき理由だけを述べれば十分であろう。それは「制限するとしたら、誰の何の価値を基に規制するのか」を正当に決めることが不可能だからであるし、そもそも自由を語る上で問題になるのは、「不道徳なこと、気に入らないこと、嫌がられること」についてのみである。「素晴らしいこと、称賛されること」を制限されることはあり得ないのである。たとえ北朝鮮のような超全体主義体制でも「金総書記万歳!」という「(その社会での)素晴らしいこと」を声高に述べる自由はある。公益に資することのみを述べよという人は、北朝鮮の独裁政権とメンタリティは何も変わらない。単に「公益」の定義が北朝鮮とは偶然違うというだけである。

 規制されるのは常に「素晴らしくない」ことである。逆にいえば自由を守られなくてはならないのは、常に「ロクでもない」言論である。シャルリー・エブド誌は他者の宗教を愚弄したから「ロクでもない」言論と見なされている。私もロクでもないと思う。しかし、それにはいかなる規制も加えてはならないとそれ以上に確信している。
 嘘、罵倒、侮辱などの「ロクでもない」言論には、きちんと反論しなくてはいけない。あるいは、スマートな方法ではないが同様のろくでもない言論をやり返すのも戦術的には有効であることが知られている(ネガティブキャンペーンには、反論よりも同種のネガティブキャンペーンを行う方が、聴衆に与える影響が大きい)。法治国家なら裁判で慰謝料や賠償金をふんだくるチャンスかもしれない。しかし、暴力の行使はむろん許されない。権力によって黙らせることも同様に許されない。暴力と権力は非常に親和性が高いものであり、一度目は暴力で、二度目からは暴力を背景にした権力が行使されるというように、本質的には大して違いがないものである。

 日本でも「ヘイト・スピーチ」を規制するという動きが強まっている。特定の民族を悪しざまに罵る差別意識は、中国にも韓国にも日本にもはびこっている。中国と韓国では日本に対するヘイトスピーチは完全に公認のものであり、「愛国的なこと」という「素晴らしい言論」にカテゴライズされている。私にはまともな思考回路だとは思えない。
 日本では多くの人々に白眼視されながらも、特に韓国人や在日朝鮮人への「ヘイト・スピーチ」が特にネット上に広まっている。反論や皮肉ならともかく、みっともない低レベルなものも多い。
 では、これらを規制するべきなのか。むろんNOである。一部の人が恣意的に選んだ「気に食わない言論」を権力を使って規制することを正当化するのは不可能である。「反日のヘイトスピーチ」を止めろというのも不当であるし、「反特アのヘイト・スピーチ」を規制することにも反対である。それは特定の立場(自分の国)や個人的な選好をもって、一面的な正しい立場を他者に強制する行為である。その行為は、一般的には「抑圧」と呼ばれている。

 薄っぺらい正義感に突き動かされたか、目先の人気取りのためか、「ヘイト・スピーチ」を規制せよという人に述べる。あなたたちこそが邪悪である。単に自分が気に入らないという理由で他者の言論を抑圧している。あるいは、他国の目を気にして、他人の目を恐れ、もっと恐ろしい邪悪なことに手を染めようとしている腰抜けである。

 一点だけ言うならば、シャルリー・エブド誌にもテロ後の対応としてやりようはあった。テロ後の増刊号で、彼らは再びイスラムに対する風刺絵を掲載した。それはいい。それは絶対に欠かせない。どれほど反対されても載せるべきである。しかし、それに加えて、キリスト教に対する風刺、ユダヤ教に対する風刺も掲載することがベターではなかったか。元々、そういうネタも載せる週刊誌だったそうだし、ことさらにイスラムだけを敵視している週刊誌ではないこと、それにも関わらずイスラム過激派だけがテロという手段に訴えたことをアピールするチャンスだっただろう。また、せっかく世界で語られているのだから、ぜひとも「言論の自由」に対するどぎつい風刺も載せていただきたい。シャルリー・エブド誌が今回の事件で強く訴えている価値であり、多くのスタッフの命を犠牲とした信条である。それすら風刺で愚弄できるのならば、ある意味で「ホンモノ」であるw 言論の自由は、リバタリアンにとっても信仰と呼べるものだが、我々は寛容に笑って受け入れるだろう。 まあ、そんな気の利いたことをする週刊誌ではないようだが。

       
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

不謹慎厨の最終的な狙いは
「朝鮮人が不快になるから日章旗はダメ」とかその辺なんじゃないかと思ったりもする。

ま、フランス人の言う言論の自由とやらも、かなり怪しいもんですがね。
ユダヤへの批判は許されないみたいだし、鉤十字もダメって。

フランスといえば

近年はアルメニア系の話題をたまに聞くような…
アルメニア系移民が組織立って、「トルコによる虐殺」の件とかを国会とかを介して糾弾とかさせようと~とか。。

アルメニアっていつしか日本のオンラインで国民性とかが旧ソの朝鮮みたいにいわれてましたが~

No title

同誌を皮肉った風刺画を公開した少年が逮捕されたりと、言論の自由を叫びつつ何やってんだか・・・って思います
なんだか事件を利用して人を特定の方向に誘導したがってる感が伝わってくるのは気のせいですかね

詐欺は犯罪であるが、言論の自由の範囲か?

詐欺師の嘘話も言論の自由で保証されるのか? つまり、詐欺師の詐欺話しは、それとわかっていても取り締まらなくて良いのか?

日本人は、教育のせいで、また島国なので、概して人柄が素直で何でも信じ込む傾向が強い。だから騙し易い。これを利用して、政治的トピック、経済議論、歴史について、意図的に嘘をついて自分の利益を図ろとする勢力がいる。

だから私は、政治家、官僚、朝日新聞、中国と韓国などが日常的に嘘を繰り返している事を、国民が見抜いく良識と知識を身につけないうちは、言論の自由に、一定の制限が必要だと考える。

しかし、例えば中国が嘘をつくのは禁止できないから、政府はすべての学校教育で国民の啓蒙を繰り返すべきであると考える。(実現可能性は低いですが。)






No title

言論の自由とは真逆の「Je suis Charlie」が全てを語っていますね。

言論の自由が尊重されうる理由は、それが存在し得ないものだからです。

No title

>( ^ω^)
ヨーロッパはフランスに限らず思想の自由に制限有りますからね。
イギリスですらナチス礼賛はジョークでも刑法犯になってしまう。

>黒子さん
アルメニアは詳しくは知りませんが、トルコはこれからいろいろと大変でしょうね。クルドの勢いも増すだろうし。

>のいさん
フランスは結構ナショナリスティックなお国柄ですから、言論の自由を文字通りの思想というよりはフランスの歴史や伝統とリンクさせていると思います。フランスではその辺を区別するのはかなり微妙な線引きになるのではないでしょうか。

>読者ですさん
詐欺の場合は実害が発生していますからね。嘘そのものを問うているのではなく、嘘による直接的な実害への責任を問うているわけです。

2-3段落では、だれがどのように制限するのですか。イコール誰の思想を正しいものと定義するのでしょうか。何を選んだところで恣意的な基準にしかなりませんが。

政府ごときに啓蒙してもらうほど日本人は落ちぶれてはいませんよ。

>見習い子狸さん
シャルリーの側に立つという表明は、言論の自由の尊重に反しないと思いますが?

フランスからアイシスまで…

ムスリム関連で動きが絶えませんね…クリミアなんかも膠着っぽいですが。
テロ対策関連の国際的な枠組みが強化されつつ~ですが
日本政府もそれに追随というか。情報機関どころか日本版CIAみたいな話や、邦人救出の必要が出た際に部隊を出せるようにする案なんかも(あくまで軽くだけど)出てる感じで。具体的にどこまで動くかは別ですが…
あと国際的な動きに同調する形で、通名とかでの銀行口座とかを抑え…ってやってますよね これは中国よりも朝鮮半島に関わりが深そうですが…

あ、二階氏がおおぜいの連れと訪韓したのその前後の発言のせいでネチズンに大不評ですが、春にはまたおおぜいの連れと訪中するらしいですね
二階氏については意外と、総理たちの意を受けてる面もあるとか(たとえば慰安婦の件なら、日本は誠意を見せる気あるのに韓国政府が取り合わないことを浮き上がらせるつもりで立ち回ってるとか)という指摘をする向きもあるようですね、都知事とかが平気で五輪に協力するとかやりかねないからみんな苛立つのも無理はないですが…
その、意図的なパフォーマンス説が正しいなら訪中に際しても、中共側に取り巻かれずに立ち回れることになりそうですが、さて…

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
プロフィール

最新鋭ねこ

Author:最新鋭ねこ
パンダでも分かる!中国政治ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。