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情報という武器 

情報を制する者は世界を制す。と言っても過言ではないほど情報は強力な武器だ。人間は周囲から情報を得て、それを元に行動を起こすのだから、その情報を抑えれば世の中を動かす事が可能だ。それほど重要で危険な「情報」だが、扱いのルール化がどこの国でもあまり進んでいない。

多くの社会では、
・「嘘」(意識的に情報の正否をすり替える行為)が禁止され、
・「秘密」(限定されたメンバー以外への情報シェア禁止、プライバシー保護に派生)を漏らしてはいけないというルールと、
・「洗脳」(不服従、非同意の機会を奪った状態で他者の信条や意思を決定しようとする行為。ステルスマーケティング等を含む)の禁止が一部にあるくらいだろう。
なぜこれらだけがルール化されたのか。共通するのは「他者の尊重(自分と対等)」という道徳が根底にあるからだと思うが、本格的に研究してみる価値はあると思う。

個人的にはこれはかなり不思議な事だと感じている。強力な武器であり、危険物でもある情報の取り扱い方法について、もっと社会的に対話がされ、学術的にも研究されていてよいと思うからだ。(私は将来そういう活動もやってみたいと思っている。)一応、念のために言っておくと情報を権力で統制せよと言っているわけではない。リバタリアンは、あらゆる面で権力による統制そのものを非常に嫌う。ルールは個人間で同意、契約される必要がある。強制されたルールに従う「道義的」義務は無い(法的義務は存在する)。

では、中国の話題に戻ろう。
周知のように中国では「嘘」は付き放題である。例えそれがバレバレの「5秒でばれる嘘」であっても問題にならない。政府もメディアも常に嘘をつく。「秘密」は親しい友人間では守られる事を期待してよいが、個人情報、プライバシーは非常に雑な管理しかされないのはもちろんの事、政府は全ての個人情報を抑えておこうという意思を明確に持っている。「洗脳」が見られるのは教育課程が最も有名な例である。「共産党を愛する」と強制的に唱和させるのは当然アウトという事だ。上の3タイプには入らないが、中国で嫌われながらも非常に広範に行われている活動に「発言権を奪う」事と「自演」がある。

発言権を奪うとは言論の自由、表現の自由を認めない事である。政府に批判的な雑誌や新聞を規制したり、ネット上の書き込みを遮断したり、意見表明の場を奪ったり、脅迫して黙らせる行為がこれに当たる。これは自由主義の価値観では完全に「悪用」と言ってよい罪である。
もうひとつの有名な情報活動に「自演」がある。他人の振りをして自分の意見に賛同する書込みを行ったりする活動だ。中国では1コメントで5角(毛)の報酬を払っている事が暴露されて以来「五毛党」と呼ばれている。例えば災害時に「共産党がもう助けに来てくれた件」というスレが立ち、
>>1 「うはww、これで安心だ。」、
>>1-2 「はいはい五毛党乙。」とか書かれる感じだ。
この自演は果たして罪だろうか?アンフェアなやり方であるから嫌われるのは当然である。しかし「罪」と言えるかどうかは疑問だ。(被災民を名乗ったりすれば、それは「嘘」なのでアウトだが。)なぜ罪とは言えないかというと、誰の権利も侵害していないからである。情報を誤解しやすくはなるが「多くの人が賛同する事は正しい事」とは全く言えないのは当然だから、自演に振り回される側がそれを知っていればよい事である。

さて、ここで挙げた「嘘」は日本国内にも存在する。(程度の話であれば中国の1000分の1くらいではあるが)マスメディアはKY事件、変態新聞事件などを引き合いに出すまでもなく嘘をつく。政府も公約やマニフェストで平然と嘘をつく。企業も虚偽表示を行う事があり、九電のように嘘情報を流して恥じない企業もある。学者ですら利権のためには「爆破弁」などと5秒でばれる嘘をつく。日本社会のレベルでも嘘に対して寛大すぎると感じる。一方で「秘密」は日本では良く保たれる方だと思う。個人情報の漏えいは大事件として扱われるし、必要以上に他人にベラベラと秘密をしゃべって回る人間は軽蔑されるようになっている。「洗脳」についてもまず容認される事は無く、宗教関係か怪しげなセミナーで稀に行われているくらいのものだろう。
「自演」は企業などが自社商品のレビューなどで行っており、政党も自演要員を持っていると思われる。

他にも情報の使い方が問題になる事は結構あるが、いずれの場合も共通ルールが無いのが大きな問題であるように思う。情報扱いの整理とルール化を目指す「情報学」は、あまりにないがしろにされすぎており、研究の有用性と供給不足が認識されていないと思うのだが、読者の皆さんはどう思う?


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テーマ : 中国
ジャンル : 海外情報

tag : 情報という武器 五毛党 マスコミの嘘

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No title

こんばんは。

本文を読ませていただきましたが、日本も国民保護の点から言えば中国のことを笑ってはいれませんね。自分は日本メディアは完全に見限っています(原発問題?今更かよ・・。)おそらく大部分の日本人が自国のことをよく知っていないことが大元だと思いますが、情報源がどこか?と確認するところから見直していかないといけないですね。予断ですが海外メディアに投稿している日本人ジャーナリストも眉唾でみています。あれは毎○新聞も裸足で逃げ出す程酷いミスリードが時にあります。

No title

あんまり「情報学」なんてはやらせたら国民がちょっとは賢くなるから
マスコミとか使った情報工作がやりにくくなるからじゃないですか?w  どこの国家でも自国民が賢くなりすぎるのは危険視するはずでルール化とゆうか公教育とかはしないと思います。日本の場合は戦後教育wで情報機関や工作自体をタブー視しがちで更にその手の教育が遅れていますね。欧米とかだとちがうのでしょうか?

No title

>>hiroさん
日本のマスメディア(新聞、テレビ)は、年々影響力が低下し、採算も悪化しているので、日本社会は次の時代に向けて進化しつつあると認識しています。そういう意味では自分は結構楽観的ですよ。やはり日本は社会の地力がしっかりしてますよ。

>>猫大好きさん
少なくとも日本のマスメディアは、情報で社会や政治を支配していると思っているので、彼らは当然反対するでしょうが、すでに過去の遺物なので悪あがきに過ぎないでしょう。問題は彼らよりポストマスゴミ時代の情報のあり方がどうなるかという点ですね。情報教育、メディアリテラシーやインテリジェンスに関わる公教育というのは、どこの国でもあまりやってないでしょう。専門的な知識のシェアまでは行かなくとも、情報扱いの基礎(多数派であることや権威は正しさと無関係、真実と非虚偽の差、論理の理解、イメージ操作の注意点、オッカムの剃刀、などなど)くらいは一般教養としてもっと広まって欲しいところです。

これらの教養は社会の基礎レベルを引き上げる事が出来ますが、中国など非民主国家、非自由主義圏はその性質上、国民の情報レベルを上げる事が絶対にできません。つまり、この方面での(むろん、現状でも非民主国家よりは上ですが)更なるレベルアップが果たせれば、自由主義圏が優越する世界の力関係を100年単位で維持可能などと考えています。

No title

「絶対に言ってはいけないこのセリフ」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20111124/201866/

パンダでも分かる!中国政治さんと同じように、実際に中国人従業員をマネジメントした人の話なんですが、
中国人に気を使ってばかりでなんだか卑屈だなぁと思いました。

パンダさんから見てどうでしょうか?

No title

>>unidonさん
中国でのマネージメントは、それだけで本一冊になりそうな分量ですね。
うちは雑魚企業なんで、大規模な企業とは違うと思いますが、そのコラムには気になる所がかなりあります。

どうしたら中国の現地従業員をうまく働かせることができるか?
こんな愚問にまともに答える必要無いわ。「うまくやれ」とか返しとけば良いと思う。「うまく」って何よ?質問の中に問題意識も自分で考えた形跡も全く見えない。こいつが金払う客だったら「うまくって具体的に何を心配されてるんですか?」とか聞くけど。

まず問題設定自体から間違ってる。「XXというトラブルを未然に防ぐには」「XXというトラブルが起きた時の注意点やコツ」とかならともかく、「うまくマネージメントをするための方法」って、そんな事に具体的な正解があるわけない。

人前で叱ると面子(メンツじゃなくてmianzi)を潰されるのは本当。それが悪いとは限らんけどね。辞めて欲しい奴に使えば、こっちから解雇しなくても自分から辞めてくれるから解雇トラブルを避けるには良い手段。職務のレベルを落とすのも同じ効果がある。辞められると困る人、よい関係を保っておきたいスタッフには使うべきではない。

「自分で考えさせる」は、原則危険だが必要でもある。まったく裁量を認めない管理職なんて置く意味無いしね。でも、このコラムの失敗は「考えさせたこと」ではなく、全予算を丸投げして放置した事。これではチェック機能が働かない。また中国人が約束や決まった事なんて気にするわけが無い。本人も(横領とかしてなければ)悪気があったわけではないと思う。何で3カ月もノーチェックで稼働させているのか分からない。進捗状況とか確認しない会社なのか。「日本人の論理」とか言ってるけど、日本の会社でもこんなやり方はアウトだろ。相手が超絶天才だったから丸投げしたとかいう条件下の話か???

「相手の言い分を聞くべきだった」は半分正しい。「相手の本音を調査するべきだった」が正解。「言い分」に嘘や誇張が交じる可能性は極めて高い。聞くのは聞くべきだけど、そのまま聞き入れるのは危険だろうね。

「正当不当」の言い合いは中国人には無意味。事実関係の確認すら可能かどうか怪しい。「損得」の会話をしないといけない。要するにいくらなら買うの?いくら以下では売らないよ、と自社のポイントだけ押さえておけばいい。どうせ交渉がまとまって契約がなされたとしても、それが守られるかどうかは全く分からないんだから。

>社員代表の中国人従業員
状況が分からないが、従業員の利害があっさりまとまったならマズい。特に権力や交渉力を持ちやすい部署の利害はぴったり一致しないように組織を設計するべき(給料の計算基準を変えるとか)。理由は労使間のパワーバランスが崩れやすくなるから。

「日本人だったら」は禁句というか、無意味なセリフ。相手は日本人じゃないから常識を共有してないのは当たり前。現実とは関係ない仮定に立って仕事をしようという奴がおかしい。中国だけでなく、どこの国でも当たり前だと思う。具体的にどうして欲しいのか言うべき。それが(条件交渉しても)拒否られたらそういう結論って事。そこで終わりにするか続けるかは自分で計算して決めればいい。
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