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2012年の中国

色々と書きたい内容は溜まっているのだが、なかなか時間が取れない。
とりあえず、ここ数年のお約束みたいになっているので、中国の今年1年を考えてみよう。
中国人の感覚では、春節明けの2月に新年を実感する。1月1日はあまり大きな意味を持たない。

さて、今年の見所はやはり権力の移行と、それに伴う社会へのインパクトだ。
トップである党主席、中央軍事委員会主席、国家主席は習近平で確定であろう。
一部では、習は脳無し説も出ているが、自分は習が指導者として無能だとはまだ思っていない。
派閥間の争いをうまく利用するバランス感覚はあるようだし、最高指導者は一個人として仕事ができる必要はない。
(逆に胡錦濤は一個人としては有能だったが、指導者としては疑問が多かったと思う)

一方で、首相については意外と混迷状況にあるらしい。
本命は胡錦濤が推す李克強なのだが、ここにダークホースが1人現れた。彼は王岐山という。まあ、あんまり聞きなれない名前だろうな。何で彼が候補なのかという理由はたった一つ。「金融のプロフェッショナル」なのである。
ここ最近、温家宝はバブル潰しに熱心であり、その反作用として産業界の反発を買っている。中国は不況なのである。それなのに金融引き締めを続けるとは何事か、というわけだ。そこで、「政治家」李克強ではなく、「金融屋」王岐山を推す声が高まっているのだ。
まだ、どちらが首相の座を手にするかは分からない。本人たちにも分かっていない。
しかし、どちらが首相になるかは中国がどのような国家になっていくのかを大きく左右する重大事である。
(この2人以外の第三者という可能性も残っている)

李が首相になり、現政権の和諧社会イデオロギーを受け継ぐなら、中国経済は更に失速するだろう。
しかし、貧富の格差は少し和らぐ可能性がある。中堅民間企業の多くが潰れ、みんな苦しくなるのだ。
中国の勢いは弱まるが、慌ただしくゴミを量産するような社会からは抜け出す事ができるだろう。
うまくいけば高付加価値製品を生産する次世代産業も育つかもしれない。
うまくいかなければ、次世代産業への脱皮に失敗し、長期不況コースとなる。
こちらのルートは正攻法ではある。不況中に質のアップを目指すのは市場経済の基本ルートだ。

王が首相になり金融緩和、景気対策がうたれた場合、中国はバブル3週目wwに突入する可能性がある。
(欧米の不景気から、どうせ実業は不振なので、増えた資本は設備投資ではなく、投機と浪費に回る)
一方で資金繰りに悩む中小民間企業は、かろうじて首をつなぐことができるだろう。
貧富の格差はさらに広がり、高付加価値化転換へのモチベーションを削がれた企業は、再び無駄の多いゴミ製品を作る事に没頭するだろう。宿題を先送りする現実逃避ルートと言えるが、表面上の景気は回復する。

中国の経営者らと話をすると、大体、王岐山推しの声が強い。個々の企業としては、それは当然だろう。
中国人経営者も、質への転換を迫られている事は一応理解しているが、資金供給を断たれては技術開発すらできないと言う。彼らから見れば、温家宝は経済がまるで分かっていない、というわけだ。

中国が経済的に失速しつつある事を背景に激化する権力闘争。
今回の権力闘争は、過去に無い非常に広い層で行われているという特徴がある。
江沢民、胡錦濤がトップに着くのは鄧小平の鶴の一声で決まっていた。しかし、最後のカリスマ指導者 鄧小平が指示したのはそこまでだ。次の体制をどうするのかは、もはや過去の長老が決める事ではなく、現在の実力者たちのせめぎ合いで決まるのだ。言い換えるなら、中国の政治体制は、「寡頭体制(貴族制)」に近づきつつあるのだ。
(数年ごとに政治体制の区分が変わってるような気がするんだがw こんな状態で体制維持できているという事は、共産党は確かに有能ではあるのだ。)
現代の「貴族」とは、国家権力の中枢部にいる者、国営企業、大企業のトップ、地方政府の実力者などだ。

ゴタゴタが続く中国の権力闘争だが、今のところはある程度の節度を保った連中が多数を占めているようだ。
太子党(共産党長老どもの子供で、まさに貴族と言える)の中でも、最もキチガイ度が高かった薄熙来は、部下の汚職によって、あっさりと権力闘争から脱落した。周知の事だが中国の高官は全員が汚職に手を染めているので、汚職で処分されるという事は、権力闘争で葬られたという意味で理解しなければならない。薄熙来が蹴落とされた事は、他の太子党が彼のイカれた(毛沢東万歳)思想を快く思っていない事を意味しており、そういう意味では「キチガイ」ではない連中と言える。

絶対的な権力者がいない体制は暴走し難くなる。しかし、それは同時に強い指導力や徹底性を欠く事を同時に意味しており、中国社会が不安定性を増した時に対応できるのかという疑問も生じる。また、中国では権力移行の制度が確立されておらず、権力闘争がどのような形で行われるかというルールが存在しない。その状態で権力闘争の参加者が増えるのは、果たしてどのような結果を生むのだろうか。偶発的な衝突が増えはしないだろうか?様々な実力者の言う事に耳を傾ける指導者は、軍部を抑えられるだけの指導力を確立できるのだろうか?政策決定過程が複雑になれば、他国から見た中国は更に予測困難な行動パターンを持つようになるのではないだろうか?

毎年毎年、波乱に満ちた1年を送る中国。今年もたくさんのネタを提供してくれそうである。
今回はちょっと話がマニアックすぎたかな。



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テーマ : 中国
ジャンル : 海外情報

tag : チャイナリスク 中国バブル 中国政治 中国の権力闘争

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散文失礼します。

ねこさんこんばんわ。

八大元老の息子も失脚しましたか。
相変わらず共産党の権力闘争は怖いと思いつつそれを全くアナウンスしない日本マスメディア(≒産業廃棄物)に笑わされる今日この頃です。習さんについてはなぜここまで党内で支持されるかがよく分からないですね。
親父さんが深センで成功した、本人も沿岸省での経験がある、その業績だけでリカチャン(笑)を押しのけるなんてよっぽど上の人の覚えがいい(≒操り人形)のですかね。習さんが就任してもすぐまた茨の道が待っていると思います。地域の自治を全く認めないないなら局地的な文革(?)も起こるかも。そういった認識で考えると今度の指導者世代は一党独裁の限界をよく分かっている(=大陸全土を掌握できない)人の集りになりそうですね。で、隣国がダイナミック変化しだしているのに日本政府は今後10年の策をどのように考えているのでしょうかね。相変わらずTPP(笑)東アジア共同体(爆笑)なんでしょうね。

No title

薄熙来自身がもう諦めたかどうかは、まだ分かりませんけどもうキツイでしょうね。この部下(というか右腕レベル)は、その後、成都のアメリカ領事館で亡命騒ぎまで起こしてますw http://www.afpbb.com/article/politics/2857011/8439656?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics

 習は元々上海閥の後押しを受けてましたからね。李が胡錦濤の後押しなので、習が好かれているというよりは、胡錦濤路線が嫌われているんじゃないかと思います。で、ほぼトップが固まると、習は胡錦濤にもすり寄りました。これは中国のトップとしては、良い資質だと感じました。派閥を利用はしても取り込まれてはいないってことですから。あんまり強引なキャラではないようなので、今後の寡頭体制には相応しい人間にも思えますね。あとは彼が胡錦濤の手から、軍をどうやって受け継ぐかが決定的に重要になるでしょう。

むしろ、李は元々トップ争いだったのに、今や首相すら危ないとかw
ダメだろこいつって感じです。守りに入り過ぎなんじゃないかと。真面目なのはいいけど、しょせんは小胡錦濤かな。

日本政府に国家戦略なんてあるわけないし、それで良いと思います。
民主にしろ自民にしろ、主体的な戦略を構想して実行できる力はもう無いし、それなら最初から引っこんでいてくれた方が害が少ないですよ。それに民主が張り切ったらもっとヤバいでしょう。バカは黙らせておくのがベストですよ。
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