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なぜ中国は民主化に失敗したか

久しぶりの更新・・・。
もうね、何か燃え尽きたよ。体力的に。精神的に。
着実に不景気へと向かっている中国。今のうちが稼ぎ時だと分かってはいるのだけど疲れた。
やっぱり働き過ぎるのは良くない。今年後半の目標は「楽をする事」にする。

さて、気分転換がてらに何を書こうかと考えたら、こういう時に限って大きなテーマを思い出してしまう。
中国の民主化失敗(と明言してしまうが)の原因。
これに関しては、いつか本にまとめるレベルの研究をしたいわけだが、とりあえずメモ書き程度のものを書いておこう。

過去に語られてきた政治体制変動のメジャーな理論には、要約すると「経済発展して中間層が増えると民主化が起きる」というものがあった。何かもうね、必然的に辿るルートは決まってると言わんばかりの理論。
中国という反証例が出てきたために、この理論が当てはまらないという事が明らかになったわけ。

じゃあ何で当てはまらなかったのか?その最大の理由は、中国では「政治権力」と「経済力」が分離されなかったからだよ。
独裁制から民主制への移行は、本質的には一体何を意味しているのか?
イデオロギー的な色彩を取りはらって言えば、社会を支配するパワーが、一極集中から、広く分散する事。
それが民主化だ。定義としての民主制には、もちろんもっと多くの条件がある。でも、パワーの分散こそが最大の要点だ。

では、その「パワー」とは何か。一つは政治権力。法律を作り、税金を取り立て、その金をばら撒く力。
もう一つは経済力。社会の構成員を食わせ、様々な活動に必要な金を供給する力。
他にも、過去のマスコミに代表された「情報操作力」なんかもパワーの一つだと言えるだろう。

市場経済が導入されていない独裁国家では、これらのパワーが独裁権力の下に統合されている。
国民を食わせ、参政権を否定して政治的に支配し、嘘で騙す。必要なら暴力で従わせる。これが独裁体制。
ところが、市場経済化や経済発展が進んでくると、企業家と政治家の利害がぶつかることもある。
これが重要。この瞬間に社会のパワーが2つに分裂しているのだ。そうすると、一般国民は漁夫の利を得られる。
政治の弾圧が怖ければ企業家に守ってもらい、企業がメチャクチャし始めたら政治に介入してもらうという流れが生まれる。
後はパワーバランスが大きく崩れなければ権力の分散化は進み、民主化へと向かう可能性が生じる。

ところが、中国ではこの流れが生じなかった。たぶん天安門事件の影響がかなりある。
共産党はパワーが手元から分散していくのを認めるくらいなら、相手を軍事力で殺す事を選ぶと、その行動によって示したからだ。だから今でも有力な産業は国営企業のままだし、民間で成功した企業も共産党に逆らう事は無い。言われるままに情報を提供し、その独裁支配に協力している。共産党という支配者は、それくらい「怖い」相手なのだ。逆らいたかったら・・・逃げるのだ。金を持って海外に逃げる。正面切って異議を唱えたら殺されるのだから、逃げるのは最も賢い選択だ。富裕層や地方政府の連中が海外に資本を移し、逃亡や移住を盛んに行うのは、実に合理的な行動なのだ。

中国は、天安門事件以降、そんな事を20年ほどもやってきたが、中国国内には共産党への対抗パワーが今でも存在しない。発展した民間企業、多くの信者を集めた法輪功など、対抗パワーの候補者は全て共産党に敗れてしまった。共産党は彼らとの「住み分け」すら認めなかった。「中国は経済が発展したのに民主化しないのはなぜ?」という無邪気な質問に対する回答。それは「共産党に対抗するパワーが、いかなる形でも中国国内に存在しない(存在を認められない)から。」だ。

実際にはもっと細かい条件や経緯を挙げる必要はあるが、要点だけを書けば以上のようになる。




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テーマ : 中国
ジャンル : 海外情報

tag : 民主化 中国政治 独裁 パワー

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中国には余力がタップリある、と日本のエコノミストや海外のメディアなどは報道しますが、中国の不況は余力をもってしても手に負えない状況になってきてるのですか?それとも本当は資金がないのでしょうか?仮に共産党が適切な経済政策を実行できず行き詰まれば、国民の怒りは一党独裁に向かう気がするのですが。それか度重なる弾圧でもう中国人には反抗する気力がなくなったきてるのでしょうか?                               最近、中国から留学してくる中国人と話してても以前のようなガツガツした中国人ではなく、何か内向きになって自信を失って元気がなくなってる感がします。

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No title

↑しまった、なぜかコメント非公開にしてしまいましたw
ただの手違いで、他意はありませんorz

No title

>マヤさん
最近になって、中国政府の景気対策が打たれるようになってきたので、政府の介入余力があるのは事実だと考えます。まあ、よりにもよって高速鉄道整備の再加速をやらかすとか、そこまでバカだとは思いもよりませんでしたけどね。

中国で終わってるのは製造業です。ブルーカラーの賃金高騰が最大の要因です。生産性や品質の向上を伴わない賃金上昇は、雇用意欲を喪失させただけに終わりました。今はMADE IN CHINA終了に伴う衰退を、投資や政府主導のインフラ整備でどこまで軽減(ソフトランディング)できるかという状況です。

中国人の自信がピークだったのは2007-2008年前半です。
その後、社会の構成員には疲れや諦めの色が濃くなってきています。
市場レベル、社会レベルではとっくに終わってますよ。中国での体感速度は日本の2倍以上という感じなので、五輪の頃の雰囲気なんて、自分にはもう10年も前の事のように感じられます。

>不毛党さん
司法の独立なんて、中国では考え付きもしないです。
そもそも、中国政府は「三権分立を公式見解で否定」していますから、形式上も存在しません。

大津事件は、司法の独立を示す大きな事件ですね。どんな外交上の大問題であろうと、司法は司法として動くという姿勢を明確にしました。当時の彼らの方が、中国人船長を事実上の特例で逃がした民主党よりは法治主義の意味をよく理解していました。

中国人にとっての法治主義は、それ自体が一つの大きなテーマです。中国にも「法治」という言葉はあるのですが、一般的中国人にとっては近代的定義の法治主義とは全くニュアンスが異なり、「苛酷な法律で民衆を虐待する冷酷な制度」という言外の意味が含まれているように感じています。法律は「みんなのルール」ではなく、「支配の道具」という理解がされているようです。これは、そのうち詳しくまとめたいですね。

返信ありがとうございます。

ソフトランディングですか。。。あれだけ無茶な経済成長をしてきたのですからうまくいくかどうか。海外は中国に対して内需、内需の連呼ですがそれもうまくいくかどうかもわかりませんからね。個人的には今後の中国は今まで見下してた他のアジア諸国に成長率で抜かれ始め、さらに内向きになるんじゃないかな?と思ってます。

No title

楽しく読ませてもらいました

民主化が発生する土台がない(存在が認められない)ということは、もしこのまま中国の景気が低迷を続けても依然として国家のトップとして中国共産党は君臨するのでしょうか?何らかの要因で共産党が打倒されても、他のパワーの存在が認められていない中国において次は何が中国を支配するのか気になりました。また前のように列強が中国を支配するわけでもないようですし。

考えをきかせてください!

No title

>当時の彼らの方が、中国人船長を事実上の特例で逃がした民主党よりは法治主義の意味をよく理解していました。
まったくです。今でも衝突事件を思い出すと憂鬱になります。あのマオイスト仙石には児島惟謙の爪の垢でも飲ませてやりたいですね

>法律は「みんなのルール」ではなく、「支配の道具」という理解がされているようです。
中国においてはあながち間違っていないのが悲しいところです
法が社会秩序ではなく、中央、地方政府、下手をすれば一役人の利益のためのルールと化している以上、市民が「いかに法の範疇で行動し利益を共有するか」ではなく「いかに法の目をかいくぐり利益を掠め取るか」というメンタリティになってしまうのは当然のことかもしれません
(そんな彼らにパテントとかチョサクケンとかを訴えるというのは、空念仏をとなえるのに等しい行為なのでしょーか)

私が中国を先進国と見なすことができない理由は、独裁政治やらいびつな市場経済やら色々ありますが、やはりこの「法治国家ではない」という点に尽きます
法治の恩恵はともかく、「無法の恐ろしさ」は中国の市民にはそれこそ身に沁みているはずです。それなのに上から下まで「法をおかしたモン勝ち」の流れに傾いてしまったのがあの国の不幸の根源なのではないか、なんて考えちゃいます

・・・かくいう日本も法を「規制の羅列」程度に考えている人は多いでしょうし、冷戦という単語ができる前に作られた憲法を頑なに守り通していたり、かと思えば「法解釈」なんて言葉をつかって黒に近いグレーゾーンをひた走ったりしてますけどねw

>これは、そのうち詳しくまとめたいですね。
「人民と法」は私にとっても興味深いテーマのひとつです。しかし、さすがに掘り下げるには私の手に余りますねえ・・・・。なので期待しております♪

長文失礼いたしました

No title

>マヤさん
まあ、当事者がソフトランディングを目指すのは当然かと。
うまくいくかどうかは別問題ですが。

>慶子さん
共産党は中国のトップというよりは支配者という感じです。
自分は中国崩壊の可能性をあまり考えていません。むしろ、戦前のようなグダグダなリアル北斗の拳状態へと向かうのではないかと思います。
中国は必ず支配者がいて秩序が維持されねばならない地域では無いと思います。ひたすらグダグダでも中国は中国ですから。

>不毛党さん
中国人は上から下まで法治の意味を理解してないですからね。
ニワトリが先か卵が先か。人治だから無秩序なのか、無秩序だから人治なのか。

自分は中国が先進国どころか、近代に入っているかどうかすら疑わしいと思っています。時間、約束、ルール、等の基礎的な概念を多くの人民が理解していない以上、高層ビルをいくら建てようが、時間軸は我々とずれたままです。脳内が近代化されないままにポストモダンに突入しつつあるようです。無法(アナーキー)の恐ろしさは知っているはずですが、自分のルール無視は「問題無い」「仕方ない」と考える人々なので、その関連性には気づいていないのだと思います。「因果関係」とか「原因」って言葉の意味も分からないのでしょう。

パテントや著作権は、中国人には難しすぎると思いますよ。
悪意があって破ってるというよりは、全く理解できない概念なんだと思います。
政府高官ですらロクに理解できてない事を確認済みですから。抽象的な概念を中国人に伝えても意味は無いです。

No title

以前、中国人の抽象概念把握力のなさに関する記事があったと思いますが、今回の記事とあわせて思い当たることがあります。彼らの特徴というものが、今日本の教育現場で問題になっている発達障害・アスペルガーの特徴と極めて似通っているということです。

彼らは、脳の障害で情報のフィルターリングに問題があって、感覚情報から重要な特徴などを抽出できず、あらゆるものがフラットに雪崩のように押し寄せていて混乱していると考えられています。

その結果として、空気が読めない、ボディーランゲージ等が読めない。コミュニケーションが取れず、突然切れだす。被害者意識ばかり持つ。物事を構造的に捉えられない。事物の共通する特徴を抽出できないので、抽象的な思考が苦手。局所的な具体物に捕らわれて、全体としての整合・バランスが取れない。時間の因果律もよく理解できない。などの症状を示します。

しかし、ひとたび彼らの行動原理を理解すると、きわめて単純なので疲れるけど手玉に取れます。中国の支配層は、そうやって統治しているのかなと思うこのごろです。

No title

中国では地方の村レベルでの政治というのは伝統的にはどのようなものだったのでしょうか。
ある程度の人間からなる集落では必ず住民で自ら決めなくてはならないような事柄(例えば農作業における協力とか橋や公共の建物の建設、修理など)が持ち上がると思うのですがそういう時
どのように話し合いをしていたのでしょうか。私はここら辺がもっとも民主主義的な意思決定機構の
萌芽だと思うのですが中国ではどのような自治がおこなわれていたのでしょうか。

No title

>名無しさん@ニュース2ちゃん
>脳の障害で情報のフィルターリングに問題があって、感覚情報から重要な
>特徴などを抽出できず

これは医学的な観点から検査をしないと何とも言えませんね。自分の担当分野ではありません。私は以前の中華思想解説で触れたように、「他者視点」「客観視点」の欠如という文化的理由だと考えています。主観視点のみで生きる「動物」なのです。
多様な民族のDNAがミックスされている「中国人」の多くが揃って同じ障害を持っているというのもよく分からない話ですしね。

>鮪さん
非常に重要なご指摘だと思います。
社会における基本的な合意形成の文化は、注目されるべきです。
専門的に調べた事は無いのですが知る限りの事はお伝えします。

農作業の分担・・・典型的なのは田植え、稲刈りに見られる。大量の労働力を必要とするため、村内、地域内で順番に一か所ずつ片づける慣習が広く見られる。村内の労働力のみで足りない場合は、近隣の村から「バイト」を雇うケースもある。(渡り鳥のように各村を渡り歩くバイト集団も存在するが、これはごく新しい現象の模様)

インフラの整備・・・トップダウンで行われるのが一般的。村単位の整備をボトムアップで行うケースは聞いた事が無い。近代以前の描写でも、そういう風景に触れた物を見た記憶が無い。(これは自分の知識不足の可能性が残っています)

日本の村落に見られる「寄り合い」のような「村民会議」は昔から存在しない模様。どこの村内にもそういう施設が無い事からもたぶん確実(共産中国以降は、党施設がその役割を果たした事もある)。本来は近所の家に集まって、だべる程度の物。「寄り合い」の代替になっていると考えられるのは、親族が集まる「廟」であるが、これは血縁単位であり、「村民会議」とは異なると考える。後はどこの村にもある「有力者」の屋敷が集まる場になっていたようだが、これはやはりトップダウン形式か。

元々、他人と合意形成をして社会を整備するという文化が無いのかもしれません。(農作業協力は、一種の商取引と見るべきか)
今後、地方や農村部に行ったら、注意して見るようにしますね。
とても良いヒントになりました。(昔の用水路の整備過程や管理方法に答えが見えそうですね。)

No title

もうひとつ質問です、中国の現在の教育現場での政治(疑似的なものでしょうが)はどうなっていますか?学級会を開いて学級委員長を選出して話し合いをしたり、生徒会を組織してイベントを企画したりというのは中国でもあるのでしょうか。

No title

>鮪さん
学級委員に相当するものは小学校からあります。
「小隊長」「大隊長」といった軍事色の強い名前になっています。
(名称まで全国統一ルールかどうかは知りません)
これは選出では無く、教師による任命という形を取ります。
中国の教育で「選出」なんてさせるわけ無いです。
将来、参政権を要求してくるようになるのは目に見えてますからね。

生徒会による自主的なイベントはないです。クラブ活動も無いです。
基本的に中国の教育は「教師に従え」という原則を強く打ち出しているので、自主的な活動は好まれないのだと思います。教師の持つ力は、日本よりも遥かに強いです。賄賂も取りますし、高校生までは、男女交際や友人関係などにも教師が当たり前のように介入して、交際を止めさせる事もあります。

あとは、学生時代に共産党青年団に入団が認められるかどうかも大きなポイントです。これは、中国の「優等生の証」であり、教師の推薦が必要です。

勉強になりました

大変分かりやすい説明で
勉強になりました。
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