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反日デモ祭りについて

なかなかの盛り上がりを見せた反日デモ。
かなりの情報が出揃ったところで、今回のデモがどういうものであったのか分析してみよう。

1.デモの仕組み
 デモは当然のことながら当局の容認を得ており、無秩序に自主的に行われているものではない。その証拠として在上海日本領事館は、事前にデモの「日程と順路」を知っていた。公安当局が不測の事態を避けるために伝達してきたのであろう。
http://www.shanghai.cn.emb-japan.go.jp/life/new120914-2-j.html

 反日デモが始まった時に非常に戸惑ったことがある。参加者が毛沢東の肖像画やスローガンを掲げていたことだ。これは中国においても極めて「非常識」である。自分には「これじゃない」感がすごかった。状況に明るくない人のために例え話をすると、2012年9月現在、日本国内で「民主党による政権奪取を訴える自民批判デモ」をやるくらい意味不明である。同じ時間に生きているとは思えないレベル。
 これらの人々は非主流の指導層から動員、組織されて来ている。つまり、デモの中核となる彼らを動員した勢力が今回の反日デモの「開催者」である。周りでギャーギャー騒いでいる連中は、単なる使い捨てのチンピラや情弱のザコに過ぎない。

2.デモの背景
 さて、では特殊な層の動員によって始まったデモの背景を考えてみよう。
今回のブログで一番重要なポイントだが、ここで述べることは仮説にとどまると明言しておく。実際、背景を現時点で完全に理解している人は共産党内のトップレベルだけだと思う。

まず、デモの開催者は周永康と薄熙来と見る。胡錦涛や習近平ら主流派(経済の安定成長によって国内を安定させる考え方)は、政敵である彼らの反撃を受けていると自分は考える。周永康、薄熙来は現在主流派からの強い圧力を受けており、特に薄熙来はこのまま敗北を甘受すると刑務所に放り込まれる可能性が高い(彼の妻である谷開来は、すでに執行猶予付き死刑判決を受けている)。彼にとって主流派との政争は文字通り命懸けの戦いである。単なるナショナリズムとは異なり、保守的(中国では「革命的」が保守の意味)なスタンスを持つ彼らが主導したと考えれば、デモの中核にいた「毛沢東支持者」という妙な連中の説明はつく。薄熙来の支持層とは、現在の経済成長の果実を得られず金持ちや官僚を憎悪し、極端な言い方をすれば「共産革命ww」を夢見るルサンチマンな人々である。
 また、暴動が非常に大きなものに発展してしまったことも、この勢力の性格を考えればあり得る話である。日系工場を襲撃するようなやり方は、胡錦涛政権の方針とは食い違いが大きすぎるのである。つまり、今回のデモ、暴動は権力闘争で非常に劣勢に立たされている周永康や薄熙来が大逆転を狙って仕掛けた闘争であると考える。
中国政府という一つの組織が仕掛けたと考えると、毛沢東支持のスローガンや犯罪者認定目前の薄熙来支持スローガン、雇用確保や成長戦略に躍起になっている胡錦涛政権の方針との矛盾を消化できないのである。

ついでに、様々なメディアで語られている仮説のうち、間違っていると考えられるものをいくつか挙げてみよう。
・主役は習近平説・・・ぶっちゃけた言い方をすると、こいつはそこまでバカじゃない。まともな根拠を挙げると、彼は入院中(?)だったので、主役アピールにならない。また、次期トップ確定なのに危ない橋を渡る必要がない。薄熙来とは既に敵対関係に有り、薄熙来や薄が得意とした毛沢東支持のスローガンなど絶対にありえない。

・習近平入院をごまかすため説・・・自分が最初に思ったのはこれ。時期的にもほぼ一致しており、十八大の延期も確認されていたので、「次期指導者の健康危機キタ━(゚∀゚)━!」と思ったのだが、デモの参加層やらを見るとどうもしっくり来ない。たぶん外れ。

・国内の権力闘争を覆い隠すため・・・まあ、かすってはいると思うのだが隠せてないし。むしろ上記仮説が正しいとすると権力闘争そのものだし。主目的とは言えないだろう。十八大の延期は、彼らの権力闘争にいまだ決着がついていないためであると考えるべきだろう。十八大での権力移譲は正式な発表会であり、決着はそれまでについていなければならないのだ。つまり、権力闘争がイレギュラーに激化していると見てよい。

・国内の諸問題からのガス抜き・・・主流派がしばらく放置しておいたのはこれが理由で合っていると思う。すぐに封じ込めると、非主流派だけでなくナショナリストも敵に回す可能性があるからガス抜きで放置した。

3.中国国内での反日デモへの見方
 中国のデモと言えば、暴動へとエスカレートするのがお約束だ。
今回は特にその傾向がひどく、特に地方都市の参加者には最初から略奪を目的としていた連中もいた。
今回のデモや暴動は珍しく中国でも批判的な人が多い。全面支持か容認に近かった2005年の反日デモとは人々の見方が大きく違っている。誤解がないように言っておくと、ほぼ全ての中国人は中国が尖閣を取るべきだと考えている。冷ややかな態度を持つ人が多いとは言っても、それは「やり方がまずい」か、「たかが尖閣ごとき小さな島の問題で(他の大問題を放っておいて)」というスタンスである。






追記 2012/09/29
薄熙来、完全終了のお知らせが出ましたね。共産党除名だそうです。あとは刑事罰がどうなるか。
周永康も影響力を失ったようです。十八大の開催日等を話し合う会議に出席することすらできませんでした(彼を外遊に出してる間に話し合いが持たれたとのこと)。思いっきりハブられてます。
というわけで、中国の権力闘争は胡錦涛率いる主流派が圧倒的優位。江沢民派や上記2名らの非主流派は没落しつつあります。
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テーマ : 中国
ジャンル : 海外情報

tag : チャイナリスク 中国政治 中国社会

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No title

ねこさん無事でよかったね!そして的外れな質問だったらすみません。 
薄熙来さんはデモを開催すると、(党内に自分の力を誇示すると?)党内にどんな論理が働き、彼は崖っぷちから乗り切れるのですか?
素人のイメージとしては、中国人って誰も沈む舟には乗らなさそうですけど。(特に偉い人)
それでも彼にとってはいろいろと捗るの?



No title

>りーべんさん
ちっとも的外れではないですよ。
彼らの狙っている論理はおそらくこういうものです。
「非主流派(保守派)の力を見たか。そして主流派の進めてきた改革開放路線が、どれほど社会に不満を蓄積してきたのか分かったか。ナショナリストも我らを支持しているではないか。我らの力と影響力、正当性を認めてVIP席(常務委員席)を用意しろ。」という感じでしょう。

自分としてはイチかバチかの大博打に見えますね。
だって主流派が「何好き勝手やらかしとんじゃ! 薄、てめーは絶対死刑にしてやるからな。もう許さん!」と考える可能性も十分にあると思うんですよ。

偉い人は海外に逃げ道を確保しつつ、利権を漁ることも怠らない、とてもビジネス感覚に優れた人々です。中国がリアル北斗の拳状態になろうが、彼らはちゃんと私腹を肥やすことができますよ。国民党時代を見るとよくわかります。権力こそ富の源泉なのです。

No title

真逆に、胡錦濤側が保守派がこんなに滅茶苦茶やらかしたんだからハクキライは死刑でいいでしょ?っていう自作自演の可能性は薄いですか?
日本外務省にも、保守派が勝手にやらかしちゃってさあメンゴメンゴ、と言い訳しつつ外交圧力カードとして使えるし。
考えすぎですか…(笑

No title

この度のデモの名を借りた暴動・略奪騒ぎですが一番気になったのが破壊された建造物に保険が適応されるのか
中国は反日を国是として教育しているのですからこの程度予見できていなければ経営者として失格でしょうし
この後何も考えずに工場復活に投資するなんて投死もいいとこです
おそらく撤退といわずとも縮小という形で様子見になると思っているのですが

No title

主流派の計画したデモに、反主流派の
デモが紛れ込んで、(毛沢東の写真)
混乱をわざと巻き起こしたと感じたのですが
どうでしょうか。

No title

>やまださん
暴動前の時点で、そこまでして薄を殺したいと思ってる主流派のメンバーがいたかどうか不明です。自分たちの抑えきれないところで暴動になっちゃって・・・というのは圧力材料にはならないですね。統治能力への疑問を招いたり、内部分裂の可能性を示唆することにもなりますから。

>正宗さん
保険は各企業で入っているものですから当事者と保険会社にしかわからないでしょう。
私の表現で言う「リアル北斗の拳化」に備えるか、覚悟しておく必要がありますね。少なくとも、「これは全く考えられない事態だ」とか言ってる経営者がいたら、もう首にするべきです。手遅れというか知○遅れ。

この先、どれくらいのスパンで影響が残る(あるいは広がる)のかは、まだちょっと読めませんね。
一気に引き上げという線はあまりないと思いますが、元の引き上げペースを早めるとかいうのは普通にあるでしょう。

>鳩胸さん
中国もメディアでも毛沢東支持者をやたらカメラが追いかけていましたし、デモの先頭に立っていることが多かったです。横から紛れ込んだなんていうレベルのものではないですよ。それにわざわざ煽らなくても、中国でデモをすれば暴動になるのは普通なのです。



 私は別に主流派が穏健派であるとは言っていません。尖閣周辺に軍や監視船を派遣することには、主流派も賛成しているわけですし。主流派は国内の安定(自分たちの支配秩序維持)を最優先事項と考えていますから、暴動やデモという「手段」を現状では好まないのです。
 一方、保守派はこのまま手をこまねいていれば権力を失いますから、国内が荒れても(彼らの個人的利益からすれば)別に構わないのです。

No title

今回の暴動の政治的な意味はねこさんの解説でよくわかったのですが、これから海外投資(特に日本からの)が明らかに冷え込む状況で中央の人間はどうやって民衆を食わせていくつもりなんでしょうか?彼らがまるで何も考えていないとは思えないのですが。

No title

>鮪さん
私が主犯と見た2名は、総スカンを食って地獄へと転落しつつありますが、それが本当に反日デモで怒りを買ったためなのかどうかは、まだ不確かです。

共産党も経済について、いろいろと考えてはいますが、実は打つ手なしで行き詰まっています。
高付加価値産業への転換に失敗し、公共投資も勢いを失った中国経済には、すでに成長戦略がありません。大変だと思いますよ。今後、中国経済のキーマンとなるであろう王岐山に注目すべきかと思います。

暴動に巻き込まれてないか心配でしたが、ご無事で何よりです。

主流派が優勢ということですが、これで主流派が勝ったということではなく、これから中国の権力闘争はたとえ新しい党首になっても、さらに激化すると考えてもよろしいんでしょうか?経済活動ではこのまま現状維持で動くのか、それともまた開放みたいなことをするのか気になります。

日本としては地政学的対立に巻き込まれた点から見て、これから誰が党首になろうと厳しい情勢には変わりはしないので、反日デモは撤退の口実や中国進出への政治リスクへの警鐘で、結果的に将来の邦人の被害リスクを軽減できたとポジティブには考えてます。あと中国への警戒心を国民に知らせてくれたということでは、この時期に民主党で良かったなと思ってます(笑)


No title

管理人様こんばんは。

今回のデモについてショックだったのは、これだけ日本の資本が破壊されているのに、大手マスメディアが事の真相に切り込んだ報道をしていない(共産党の権力争いにふれていない)ことにドンダケ~(古っ)と思ったことです。このブログと別のブログ(なんチャラ浪人様)の内容を見ると完全に管制焼き討ち事件であることは明白で、動機が尖閣云々はだだのダシ。大陸のマイノリティ(蟻族、鼠族を中心とした)人間の憂さ晴らしとそれに乗っかる一派のセレモニーでしかないですね。
メディアから流れる対日感情を見るにつけ、管理人様が以前言ってみえた、どれだけ教養のある中国人でも「中国を非難する人間はすべて敵」と言うプログラムが働いていると言う言葉が一番しっくりときます。

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>マヤさん
 権力闘争の行方はまだ流動的なので断定的なことは言えませんが、どうも胡錦涛派は勝ちすぎなくらい勝ってしまったのではないかと思われる情報が出てきています。8月時点ではまだ勝負つかずだったことは確かなんですけどね。なんかあっという間に非主流派は押し切られてしまいました(原因の仮説はいくつか立てられますが、しょせん仮説止まりです)。

 今後、経済は王岐山が主役になって指揮していくと思われますが、誰がやろうと成長路線に乗せるのは無理だと考えます。政府の政策だけで経済は勝手に成長したりしません。

ついでに新しい観察対象がそろそろ生じるのではないかと考えています。
それは、敗北した江沢民系の非主流派が、巨額のマネーを海外に逃がす動きが出てくるのではないかという可能性です。潰されて財産を没収されるかもしれんからね。移民という名の亡命事件も起こるかもしれません。ジャパンマネーどころか、国内資本も流出したら・・・。

今回の暴動や尖閣問題は日中分断という点から見るとダメ押しでしたね。中国だけに限らず、過去の戦争や紛争を見ると、政治>経済というのが世界の原則です(困ったことに)。
譲ったら更なる紛争(確実に沖縄割譲要求が来る)が起こるのは目に見えているので、きっちり勝負するしかないですね。

>hiroさん
マスゴミの主流の人々は、そもそも状況を理解できてないと思います。
ほとんどの中国人の頭の中には「正当性」という概念が入っていません。「強ければ獲り、弱ければ獲られる」という世界で生きている人々ですから、強くなった中国は、日本からも物を獲れるはずだと信じています。まじめに相手しても話が通じないと思います。

まあ日本のマスコミは朝日筆頭にまた「話し合いを~」みたいなこと言ってますが、もう不可能でしょうね。本心は「頼むから中国、攻めてこないで・・・お願いだから・・・」じゃないかなと思ってます。逆に右翼勢力にもよからぬ事を考えてる奴もいるでしょうから、そちらにも警戒が必要ですが。

しかし・・岸信介が安保条約結んでくれてて本当に良かったと思うこの頃です。こんなに国内が乱れてて、選挙恐怖症に陥ってる与党がいてそれでいて今起こってる現実から目を反らそうとするマスコミ・国民がいるなかで、もしアメリカのパワーがなければ今頃尖閣どころか沖縄も危なかったでしょう。

ただ中国の無能さにも助けられてますね。もし、後10年ほど我慢してしっかりと軍備をつけてからやれば良かったものを、この経済成長率(そろそろフィリピンに抜かれる)が悪化してる中でやってくるんですから、日本としては助かりましたね。



No title

中国への保険企業が撤退するというのは本当でしょうか
採算が合わない(やっぱりか)という事らしいのですが本当の話ならこの先中国に進出するリスクは増大というレベルでは済まないでしょうね

No title

>マヤさん
話し合いをするのは当然ですが、「話し合い」の意味がわかってるのかなと。
朝日が分かってないことは確実ですが、必要なのは「駆け引き」をしてくることであって、
「仲直り」をしてくることではないのですよね。
相手のどこに付け込めるのか、こちらの言い分を通すために何が必要なのか、という事です。

例えば中国国内に向けて、「中国の尖閣領有権主張が効果を上げていないのは、中国外交部が数十年間も抗議声明を出すことをサボってきたから。」という宣伝工作を仕掛けるとか。
つまり、「外交部=無能な売国奴」という図式を広め(るぞと脅し)、それを材料に外交部を脅迫する。

中国はひたすら自爆を続けてますね。日本政府の外交無能は尋常なレベルではないですが、中国の外交ミスも半端なものではありません。敵を増やす外交なんてやらない方がマシですよ。
軍部と外交部の齟齬も目立ってきているように感じます。中国もグダグダですな。

>正宗さん
元々、中国国内での外資保険はそれほど有力な存在ではないです(多分)。保険の適用範囲から暴動を外すとかいう保険会社はあるようですね。撤退かどうかは知りません。たまに起こる暴動を加味しても採算ラインに載せられると思えば、ビジネスは続行されるでしょう。
暴動一発で破綻するようなビジネスは、もう止めておいた方がいいですね。

No title

共産党幹部が不正蓄財しているというアメリカ発のネタも
ポーシーライとその一味が仕掛けてるのかな?

No title

>足軽さん
主流派と非主流派のネガティブキャンペーン合戦が行われています。
NYTに非主流派の誰かが情報をリークしたのでしょう。いろいろと面白いですね。
習近平にも何か暴露話が出てこないかなあと期待しております。

ちなみに、薄熙来には不正蓄財、法輪功の強制収容所を通じた臓器売買、(女優のチャンツィイーを含む)複数の愛人、などの疑惑が持たれています。さすがに臓器売買は死刑にしとけって感じですね。何百人殺してんだよ。

チベット虐殺の胡錦涛、ウイグル(ウルムチ)虐殺の習近平、天安門事件のとう小平。
やっぱり、中華皇帝を目指すレベルのやつは、3桁殺しくらいはやってのけないと無理なようです。
血まみれの玉座はさぞ座り心地が良いのでしょう。
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