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中国と北朝鮮の関係とは?

 
 管理人が朝鮮半島には明るくない(あまり興味がない)ということもあって、普段は触れていないが、
北朝鮮がコリアン・ルーレットによる危険な遊びを行う中、中国と北朝鮮の関係を取り上げてみよう。

 公式的には中国と北朝鮮は同盟国である。経済援助はもちろん、軍事的にもミサイル発射車両の輸出など支援もしている。また、中国軍部の一部などは、北朝鮮の鉱山開発権を取得しているし、漁業権を譲り受けたりもしており、経済植民地化が進んでいる。
 しかし、多くの中国人は北朝鮮を嫌っている。30年ちょっと前まで、中国は北朝鮮と変わらぬ全体主義体制を敷いていた。しかし、改革解放後の多少自由になった社会を知る中国人は、北朝鮮をイカレた国だと見ている。

 様々な支援をしているにもかかわらず、北朝鮮は中国の言うことを聞かないから、中国にとって北朝鮮は負債でしかない。一部の勢力が鉱山開発などの利権を持ってはいても、国家としては損をしているのである。中国政府の中にも北朝鮮切り捨てを望む声がしばしば現れる。しかし、中国には北朝鮮を切ることができない。負債でしかないのに捨てられないというジレンマ。
 なぜなら、北朝鮮を切り捨てた場合、中国の負債はさらに大きなものとなる可能性が高いからである。北朝鮮が崩壊すれば、北朝鮮人という1000万の乞食のうちの数百万は中国を目指すだろう。この浸透を食い止めるのは難しい。国境の川岸でマシンガンで撃ちまくるくらいのことをやらないと止められないだろう。この乞食の群れが中国東北部の安定を脅かすのは自明である。

 また、北朝鮮を崩壊させずに切り捨てた場合、北朝鮮はアメリカと手を組むべく動く。
そうすると中国はさらに困る。北朝鮮にアメリカ軍が進駐してきた場合、東北部の防衛力を大幅に強化しなければならなくなるからである。その財政負担に中国が耐えられるかどうか。
 もっとも、アメリカにとっても北朝鮮を抱え込むことは対中戦略としては強力な一手だが、国家戦略として正しいかどうかは非常に疑問である。中国包囲網を強化する代わりに1000万の乞食に餌をくれてやらなければならないし、アメリカの側から必要以上に中国の安全保障を脅かす進出戦略をあえて採る価値があるだろうか。

 かくして、誰も欲しがらない北朝鮮は、自由に挑発戦略、瀬戸際外交を取ることができる。
北朝鮮が日本やアメリカに挑発行動を取る事を中国は望まない。なぜなら、日本が北朝鮮の脅威を理由として国防体制を強化する可能性があるからである。北朝鮮が核武装を進めれば、日本や韓国が核武装に踏み切る可能性が高く、それは中国の優越性を深刻に脅かすからである。
 北朝鮮の瀬戸際政策で中国が最も懸念しているのは、実は日本の改憲や核武装なのである。

 なお、過去にも書いたことがあるが、自分は北朝鮮の脅威を利用することに大賛成である。無能な敵は頼もしい味方と同じくらい、あるいはそれ以上に好都合なのだ。例えば今回、沖縄にも迎撃ミサイル(PAC3)を配備することになったが、これは沖縄侵略を狙う中国にとって、非常に困った話である。しかも、北朝鮮のミサイルに備えるためという理由だから、強く反対することもできない。日本は北朝鮮の挑発のおかげで、自然に対中防衛力も強化できたのである。


 では、今後の北朝鮮情勢はどうなっていくのだろうか。北朝鮮は指導者が交代し、支配権を固めるために色々と汗をかかねばならない時期にあるらしい。核開発をしたり、戦争前夜の雰囲気を作って国内をまとめたりと忙しいが、こうした非生産的な活動は貧しい北朝鮮をさらに貧しくする。

 すべての国にとってベストなルートは、北朝鮮を生かさず殺さずの緩衝地帯として置いておくことであるが、北朝鮮がこの先も破綻せず、独立国家として存続していけるかどうかはかなり疑問である。
 誰も手を出したがらない北朝鮮が破綻するとわかった場合、嫌々ながら、中国が併合するという形を取る可能性が高いと思う。数百万の難民が国境に押し寄せてくるのを見ているよりは、北朝鮮内部に多くの乞食を留めるために、中国は手を突っ込まざるを得ないだろう。難民の脅威という状況は韓国も同じだが、韓国に北朝鮮を統治する国力はないから、消去法で中国しか残らないのである。

 北朝鮮を併合した中国は、地政学的な弱点が増えるので弱体化する。地政学的な知識がない人には領土が増えたのに国家が弱体化するというのは、直感的には理解しにくいかもしれない。1000万の乞食のせい・・・ではない。それもあるが、それは地政学的理由ではない。
 東アジアの地図を見ていただきたいが、北朝鮮の東海岸は日本海に面している。そして、その海域は中国の他の海域と自由にアクセスができる地理的位置にはない。そのため、中国は日本海艦隊を新たに設けなくてはならず、中国の海軍戦力は、南(シナ)海艦隊、東海艦隊、北海艦隊、とすでに三分されているのに、さらに日本海艦隊が必要な国土形状になれば、戦力が四分割されてしまうわけだ。同情したくなるほど不利な戦略条件と言ってよいだろう。

 先ほども述べたように、すべての周辺国にとってベストなシナリオは、北朝鮮が細々と存続することである。
しかし、いったん北朝鮮が破綻した場合に甚大な損害を被るのは、地続きの中国と韓国、ロシアであって日本ではない。その時、日本は(たかが知れているが)北の難民が海路で流れ込んでくるのを防ぐため、北朝鮮の港を機雷で封鎖するべきである。今の法的な縛りの中では難しいだろうが、国家として合理的な戦略はそれである。

 

        



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テーマ : 国際政治
ジャンル : 政治・経済

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No title

中共が日本海側に軍港を持つと厄介だなと日本側のデメリットばかり考えていましたが、ご指摘の通り中共側のデメリットも大きいんですね。
いずれにせよ軍区同士のいがみ合いや、陸軍と海軍と党中枢直轄部隊の足の引っ張り合いとか、内部争いの火に油を注ぐような方向へ誘導していければいいと思うんですが。

No title

 どうもこんにちは。

 北朝鮮も無慈悲な挑発をするだけで今のところ特に何も起きていませんね。
狼少年の話じゃありませんけど、朝鮮半島で危機を演出する北朝鮮のやり方は正直もう各国が慣れてきてしまってだんだん通用しなくなってきていると思います。
 かと言って三代将軍正恩が思い切って国の改革を行うようなことは力量的にも、本人の考え的にも無理でしょうから、北朝鮮はババ抜きのババ状態で、ゾンビのように生き続けるんでしょうかね・・・
 地政学的弱点のお話はなんとなくわかりました。日露戦争時のロシアみたいな海軍の分散状態になるというわけですね。

 そういえば、最近になってインド・パキスタン・中国の国境地帯であるカシミール地方に人民解放軍が進駐してきているようなのですが、あれはどういった意図を持っての行動なのでしょうか?
 中国とパキスタンは同盟国なので今回の進攻もパキスタンの援護のため?なのでしょうか?

No title

アマゾンでレビュー書いてきたよー
レビューでも書きましたが、前半でのシノフォビア云々は微妙にテーマから浮いてるように感じました。
あのタイトルでは「また嫌中便乗の知ったか本かよ氏ね」と食わず嫌いされても仕方ないような・・・
あ、内容はとてもわかり易くまとめられててよかったです。
これでブログの更新頻度上がるよね?よね?

中国にとっての北朝鮮の存在、よくわかりました。
日本海沿岸への軍の負担は確かに納得です。
やはりあの国は生かさず殺さずがどの国にとっても都合がいいんですね。
拉致被害者家族には気の毒けど、諦めてもらうしかなさそう。安倍さんどうするつもりなんかな。

No title

>名無しさん
ジブラルタルを抑えられたフランスが海軍力を二分され、イギリスに海軍力では勝てないように、日本海への出口をもった中国は、日本、台湾によって海軍力を3分割されます。
韓国の存在を一応、自由主義圏側とするなら4分割です。無理ゲーですよ。

単純に言って、日本の3,4倍の海軍力を持つ必要があり、それが財政負担として現れてきますからね。対日本でもそれくらい不利。しかも実際はアメリカ海軍が上乗せされるので、もう勝負は見えているんですよ。
空母なんか作って遊んでる場合じゃないと思いますが、こっちにとっては好都合ですね。

各軍区の権力闘争も宿命のように思います。日清戦争のときと大局はあまり変わりませんね。


>なぐもさん
北朝鮮も詰んできたようですね。挑発に乗る国はなく、交渉に出てくる国もあるわけもない。
無駄に国力を消耗させただけの大騒ぎで終わるのかなあという感じですね。

1000万の乞食の面倒を見るのは、各国とも気が進まないので、
北が勝手に消耗して人口が減ってくれるのを無慈悲な傍観で見ておればよいかと。
ついでに、いろいろな資産でも没収してあげればいいでしょう。

ロシアさんもヨーロッパと極東で海軍力が分散されざるを得ない地理的環境にありますね。
黒海もあるから、少なくとも3分割か。
大英帝国のおかげで喜望峰回りのバルト海艦隊、マジでお疲れ様ですww

インドとの国境地帯侵入は、軍区レベルの手柄欲しさ(中国内部の権力闘争)ゆえの強硬策を中央が追認してるのだと思います。全方位敵対外交とか斬新すぎますけど、これも他国にとっては都合の良い話ですよ。


>baruさん
拉致被害者の方々を救うことは、残念ですが、単純に国家レベルの損得ではペイしないでしょうね。しかし、北が消耗し、韓国や中国とも距離を置かれつつある現在、人質の買取方式などであれば、だんだんと可能性が出てきているのかなとも思います。北にとって拉致被害者には大した利用価値はないですし、売れるなら売りたいでしょう。
どちらにしても、北をもっと消耗させるべきですよ。その方が交渉が成立しやすいです。


レビュー、ありがとうございます。
いろいろな事情がありまして、著者一人だけの趣味で好きなようにとはいかなかったです。
でも、自分はあの題名含めて後悔はしてませんよ。
書きたいことだけ書いて、それが客観的に評価され、売上も確保されるなんていうシナリオが実現する可能性が現実にあるなどとは、まったく思ってませんから。

最初の一歩としては、これでよかったと思います。二歩目、三歩目につなげられるかどうかは、まだわかりませんけれども。

中国は仮に尖閣を奪還したとしても、それからさらに軍事費が増大してより弱体化するんではないでしょうか?

No title

>マヤさん
 尖閣を占領する過程での負担は中国にも生じますが、維持する負担はそれほどでもないと思います。維持するということは、一旦は戦闘が収束する(つまり中国軍が勝利をおさめる)というシナリオが起きた場合の話になります。
 その場合、中国は島に埠頭を作り、レーダーを設置するなど、一気に設備を作り上げてきますから、今日本が尖閣を防衛するためにつぎ込んでいるほどのランニングコストはかからないと思います。

 むしろ、現状の日本のコスト負担は馬鹿にならないものだと推測します。巡視船を何隻も釘づけにされ、F15のスクランブル体制も敷き、AWACSも飛ばしていたはずですね。 探知されない自信があるなら、周辺海域には潜水艦も潜ませているでしょう。 結構なコストだと思いますよ。仕方ないですけどね。
 気球レーダーの案とかはダメだったのでしょうかね。気球はAWACSより相当安いと思うのですが。まあ、自衛隊のめったにない実戦訓練になっていると思えば有りかな。
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