スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

荒れる中国国内情勢と大きな前進

習近平は間違いなく、独裁者を目指している。
胡錦濤体制や江沢民体制は一党独裁ではあっても、支配層の内部は集団指導体制であった。
しかし、習近平が目指すものは明らかに異なる。

腐敗の取り締まりに名を借りて次々と大物を粛清し、言論統制を強め、軍部への支配権を拡大し、社会の混乱に粗暴な対処を繰り返す彼は、間違いなく独裁者であることを望んでいる。習個人のパーソナリティについては、一般的な分析以上のことは知らないが、国際社会についての無理解と、経済発展至上主義であるよりは時代錯誤の共産主義志向という点で、習政権の実績を見る限り、それは前評判以上に極端なものであったことが明らかになってきている。

石油閥に続いて、前軍事委員会副主席である徐才厚が粛清され、習の他勢力に向けた攻撃はまだまだ続いている。連日のように地方政府の上層部や目立った活動をしている人々が逮捕され、しばしば自殺に追い込まれており、一説には次のターゲットは曽慶紅であるといわれているから、もはや粛清対象にタブーは存在しなくなったかのようである。良かれ悪しかれ、現代の中国を形作ってきたものは成長と不正であるが、それを否定し尽くそうとするかのような習の粛清劇は、いったい何を目指しているのだろうか。

腐敗した上層部のみを叩いているならともかく、習政権は香港の自由に明確な制限を加えつつあり、ウイグルではテロ対策の名を借りた民族浄化まがいの弾圧を続けている。そして、漠然とした「機密情報」の報道を禁止するだけでなく、「非公開情報」のメディア利用を禁止したことで、形式上のジャーナリズムすらも完全に否定してしまった。非公開情報を報道できないメディアは、まさに「党の咽喉と舌」以外の何物でもない。以前に取り上げたようにGOOGLEすら中国では使用できなくなっているし、チャットソフトやソーシャルネットワーク・サービスの利用も更に厳しい制限が課せられるようになっている。まさに全体主義へと至る道を習政権は選択しつつあるようだが、反対勢力がいやに沈黙しているのも気になるところだ。すでに習の暗殺などが計画されていても驚くに値しない状況であるように思う。

中国国内では果てしない粛清劇が繰り広げられているが、そうしている間に日本では対中抑止力を決定的に強化することになる集団的自衛権の解禁が閣議決定された。憲法それ自体を改正するほどの力強さはなかったとはいえ、この政策変更が東アジアの安全保障に及ぼす影響は決定的である。直接的な受益者となるのは、日本、アメリカと台湾である。

日本自身は政策の自由度を特アを除く諸国家の支持のもとに拡大できたから当然として、アメリカは対中抑止を単独で負担しなくてもよくなったという大きなメリットを享受している。節約志向のオバマ政権が歓迎するのは当然である。また、日米同盟をアメリカ帝国システムの一部として見ると、太平洋方面におけるアメリカ帝国の戦力が大幅に増大したことを意味するからTPP交渉など、他の方面へのインパクトも十分に考えられるだろう。・・・というより、他分野にもインパクトを及ぼすよう、日本政府は努力しなくてはならない。

台湾もまた、今回の戦略変更によって大きな利益を得ることができた。中国が台湾への侵略を行う場合、日本の戦力が台湾側に計上される可能性が急激に増大したからである。これによって、中国は台湾への武力行使をこれまでよりもなお一層、慎重に考えなければならなくなったから、台湾有事の可能性は間違いなく低下したといえる。・・・それにも関わらず、馬英九総統がネガティブなコメントを述べたことは驚きというより、その対中迎合の極端さに呆れるしかないものであった。中国との関係を強化したいからとはいえ、彼のスタンスは中国との駆け引きというより、すり寄りと言わざるを得ない。

本来であれば韓国は受益国である。日本の戦力を利用して北朝鮮、中国からの脅威を削減できるからである。ところが、周知のように日韓関係は過去最悪というレベルに落ち込んでおり、韓国政府は自らが煽った結果とはいえ、日本について何かしらプラスの評価をすること自体が国内でタブー化しているようである。チャンスをピンチに変えるかのように、韓国は日本の戦力を敵側にカウントすることに一生懸命である。まともな情勢判断が働いている状況ではなく、日本のルーピー政権をかなり下回るレベルのコメディが一国のトップレベルで演じられているように見える。個人的には冷笑以外の反応を返すことができない。

フィリピン、ベトナムなど東南アジア各国は日本の政策変更を歓迎したものの、彼らは直接的な受益者とは言えない。自衛隊の行動範囲が南シナ海まで延長される見込みは薄いからである。せいぜい敵(むろん中国のことである)の敵が強化されたというレベルの話であり、間接的な受益者に留まる。オーストラリアも同様であるが、彼らは日本のディーゼル潜技術という具体的な獲物を欲しているのであって、自衛隊の戦力それ自体を期待しているわけではないだろう。

集団的自衛権については、関係各国の支持があるに越したことはないが、支持されたから正しいとか、反対されたから間違っているという性質のものではない。現在は中国という巨大な国家がわざわざ悪役を演じてくれているから他国の支持が得られたのであって、それはつまり「日本を利用できる」ということと同義である。そうでもなければ、他国の軍事力の枷が外れることを支持することなどありえない。せいぜい、どの国も当たり前に有している権利なのだから「消極的ながら容認する」というレベルの反応なら上々であろう。

そうした考え方は国際政治においては基本も基本であり、日本もアメリカの戦力をこれまで利用してきたし、台湾やベトナム、フィリピンの地政学的位置を利用するべきなのである。その相互利用が対中抑止を成功させる糧となれば、まさにバランス・オブ・パワーの成功例となり、アジア諸国は相互協力によって大規模戦争を避けることができるだろうし、日本は潜在的な大規模戦争を阻止した立役者として、大きな名誉を勝ち取ることができるだろう。

個人的には対中抑止に参加している国はベトナムを除けばほぼ自由主義国であるから、今のままうまくやれば自由主義圏が平和裏に、あるいは小規模な軍事衝突のみで独裁国家に勝利するというもっとも望ましいシナリオも夢ではないだろうと期待している次第である。・・・ベトナムの民主化ってシナリオはないのかね。

       
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

習近平と朴槿恵

暗殺の恐怖に怯えて実力者の粛清をして権力を集中させる習近平国家主席と、実際に暗殺された閔妃の事が頭にちらつく朴槿恵大統領の国政を除いた両者の個人的な利害は一致していると思います。つまり、習近平は暗殺されるかも知れないと考えるストレスを新疆ウイグル自治区で異常とも言える民族浄化作戦で鬱憤ばらしをし、朴槿恵は閔妃を殺害したとされる日本憎しで1000年恨むと方言した。この両者が個人的に急接近したようにも見えるのは当然かもしれません。
しかしロシアに急接近して殺された閔妃のように、中国に接近しすぎた朴槿恵もまた、旧KCIAの残党に大統領在任中でも殺害されるやも知れません。
どちらにしても目が離せませんね。

No title

習さんそんな過激なことしてたんすか…
この時代、一般人がネットに自由にアクセス出来ないってヤバいレベルで愚民化、ひいては国力の低下を招くと思うんですが、それを心得た上で「自分が死ぬまでいい生活できればいいや」と考えているのか、それとも反射反応的に「webには都合の悪い情報もある→隔離」とやっているのか気になるところです。

No title

中国は安貞桓でテロリズム肯定したからねえ。

自分が狙われるかもしれないという恐怖に怯えていればいい。
ちなみにチョンも同様。

No title

管理人さん、はじめまして。いつも楽しく読ませてもらってます。
 
 集団的自衛権に対する馬英九氏の反応は確かに理解できませんね。彼が将来的な中台統一を志向していると仮定しても、軍事的自由度を高めた日本との提携を背景にしたほうが、台湾に有利な統一条件を中国側に呑ませ得るはずですが・・・。
 中国との関係悪化を気にしたにしても、それなら集団的自衛権に対しては特に反応しない、或いは玉虫色の反応で済ますという選択肢もあったはずです。
 
 今回のネガティブな反応は、日台関係だけでなく中台関係の点でもマイナスの効果しか生まないように思えます。

No title

>ひでぴょんさん
民主党時代を乗り切った日本にたいして、前政権よりあからさまな無能を晒す両国の政権がどうなるか、いろいろと見物ですね。

>brさん
まさに「中国の退行」ですよ。20世紀の社会に戻りつつあるようですね。愚民政策は中国にとってマイナスです。しかし、共産党政権にとってはより安定性を増すことになるでしょうから、彼らにとっては合理的といえます。愚かしい選択には違いないですが。

>ゴルディーさん
ウイグル系の攻撃は反乱といったほうが実態に近いです。テロというには犯行声明も出ないですし。

>ハゼさん
まったくおっしゃる通りです。彼が中国よりなのだとしても、侵略を不可能にしたうえで交渉に臨んだ方が台湾にとって有利に決まっています。まるで某国の左翼政治家を見ているようです。まともな計算もできずに単に中国に尻尾を振っているだけという感じですね。残念です。

No title

上海の食肉工場の一件ですがねこさんが著書で書いてたとおりどんなに完璧を記したマニュアルも結局は無意味だったということが立証されました。

なにせマスゴミの報道での映像でも視察の時だけちゃんとやっているふりをして実態はあんなものだったのだから。
逆によくもまああの映像が表に出てきたものだと・・・。
正直中国国内の食肉や他の工場も同じ状況だと容易に想像できてしまう。

とあるファーストフードチェーン店に今回の件をメールで聞いたがあまりにも中国という国のもつ国民性を理解していないという印象でした。
チェック体制を強化することでなんとかなると思っているフシがあり、中国という国を使う限りはこのリスクが常に付きまとうとは考えていないようだった。

除鮮もさることながら脱中も加速していかなければ来るべき時に痛い目を見る羽目に陥るというのに・・・。

とうとう

周永康の失脚が 確定化したらしいですね 習に対し江派も他派もどうやって巻き返しをする目論見なのか…

ベトナム民主化といえば?

いや関連性ないですが…ラオスの民主化も無いでしょうか。
どなたかが、海外の識者だったかもですが中国周辺のアジア諸国で、日本と中国のいずれかにつかなくちゃとなったらラオスカンボジアがまず中国寄りでタイは曖昧にどっちつかずだろうみたいなこと少し前に書いたと聞いた気が…(うろ覚え)

No title

そういえば前国家主席たる胡錦濤や温家宝の話を殆ど聞きませんが、習との関係はどうなっているのか気になりますね。徐才厚等の粛清に関しては、胡錦濤の団派と手を組んでいるとの記事もありましたが、真相はどうなのか

日本に関しては安倍政権が支持率低下により徐々に揺らいできています。マスコミは集団的自衛権に関する強引さが要因と報道していますが、経済政策でのつまづきが全ての始まりだと感じています。やはり消費税増税は早すぎたし、ここぞとばかりに移民の話や更なる増税の話をすれば下がるのは当然かも。

自分としては安全保障政策さえ今の路線と変わらなければ、政権が変わっても問題ないのですがね。

No title

>ゴルディーさん
仕組みの問題ではなく、内部に中国人労働者という不確定要素を生み出す源を抱え込んでいる以上、回避は不可能ですね。
食品とか命にかかわるタイプの財は、中国に依存するべきではないです。常にリスクが高い状況に置かれることになりますから。
ちなみに、こういうとき中国人中間層や疑似インテリは決まって同じことを言います。
「結局は体制の問題だ!」と。いや、君ら自身の問題だよとしか言いようがないのですが・・・。

>黒子さん
ついにここまで来ましたね。数日中に記事で取り上げます。

ラオスは・・・お気の毒ですが、実はラオスは中国領になるだろうと思っています。第二の雲南とか広西チワン族自治区みたいな。逆に言えば、雲南などは中国が弱体化すればラオスのような国家になるかもしれません。あの辺は中国に組み込まれていても不思議でなく、独立していても違和感のない曖昧なエリアのようです。

カンボジアはつい最近まで中国側でしたが、ここ2年くらいで微妙な立ち位置に変化してきています。


>もりぞーさん
詳しくは別途記事で。

安倍政権の支持率5割弱は、かなり高いという認識です。
連立という要素を一度無視して考えると、民主制の基本は最大支持を集める政治勢力に政治運営を委託することですから、一勢力で5割弱ということは、反対勢力が単独で過半数を取らないと覆らない勢力差ですから、十分に安定勢力といえるでしょう。

おおざっぱに言って、民主制下では単独過半数の勢力が不在の場合、支持率が26%あれば最大勢力になりやすいです。

何度も申し訳ありません!

韓国についてもお書きいただいていますが、安倍政権朴政権が相次いで誕生してからずっといわれてますよね、「中国への事大主義的な歩み寄り」って。日本国内ではその初期から「自分らは米中間のバランサーを自認する策のつもりらしいが、どちらからも見透かされて踏み絵を迫られる」っていわれてきましたが。
ふと思ったのは、そういうのらりくらりとした二枚舌っぽい外交態度で乗り切るなんてのは英国とか、アジアならタイが得意とする分野に思えましたが、タイにできることだからといって韓国にもやすやすと模倣できるかっていったらやはり無理でしょうか…。

No title

>黒子さん
バランサー外交を成功させる条件が韓国の場合は欠けていると思います。
1.ヨーロッパにおけるイギリスと違い、韓国が中国に付こうがアメリカに付こうが、結果を左右する変数としては不足である。どっちについても勝敗が逆転するような勢力ではない。

2.韓国自身に取引材料がない。元々アメリカに提供できる決定的なものがなく、中国に付いたところで中国がほしいものを持っていない。

3.アメリカも中国も韓国を軽く見ているので、バランサーとして理解されない。日和っているようにしか見えない。中国からは「属国モード」と見られている可能性すら心配すべき。日本からも事大にしか見えないしね。

イギリスは当時大英帝国でしたし、WW2前のタイはフランスとイギリスの緩衝地帯ではなかったですかね。現在は中国とも国境を接していないので国境紛争がなく、中途半端な位置に立ちやすい。別にタイを軽く見ているわけではないのですが、彼らがバランサーもどきになっているのは、結果論ではないかと。

米中間でバランサーになれるのは、日本、ロシア、インドくらいですよ。ロシアはアメリカと無駄に対立し過ぎましたね。彼らこそバランサーに徹するべきでした。日本とインドは中国に喧嘩を売られているので、自然と選択肢を失った感じですね。ありがたい話です。インドはまだ目があるかな。

南北朝鮮は、今後はどっちも似たような態度を取るのではないでしょうかね。本人たちは独立自尊とかバランサーとか言ってるでしょうけど、単なるタカりと区別ができないような外交方針に収れんしていくように思います。あまり関わりたくないですね。
プロフィール

最新鋭ねこ

Author:最新鋭ねこ
パンダでも分かる!中国政治ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。