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ルビコンを渡った習近平、取り返しのつかない中国

約2年にも渡った周永康の捜査は、ついに周本人の立件方針が固まった。
背景が何であれ、これは単に取り締まりが上層部にまで至ったという話ではない。中央常務委員会のメンバーは鄧小平の指示によりアンタッチャブルとされていたが、その障壁が崩れたということを意味しているのである。習近平はまさに従来のルールを破り、ルビコン川を渡ったのである。

さて、当初、江沢民派の支持を得て、その地位を急上昇させた習近平は、党主席を伺い、中央常務委員会のメンバーを決める頃から胡錦濤に急接近していた。そして、前回の反日暴動あたりから周永康との確執は明確なものとなっていたことが分かっている。ここで注意しなければならないのは、周永康は中央常務委員会メンバーの中で特別であったのかどうかである。言い換えれば、習近平の張ってきた反腐敗キャンペーンは、党の総意として周永康の一派を狙ったものだったのか、それとも江沢民派を狙った権力闘争なのかを知る必要がある。周永康の罪状と考えられるものを挙げてみよう。

1.周の腐敗は並外れており、2兆円ともいわれる資産を不正に築いていたと考えられている。明朝や清朝でも見られたワールドレコードクラスの腐敗規模であり、他の常務委員会メンバーが恐らく数百億から数千億円レベルの不正蓄財をしている点から見ても、兆越えはやや行き過ぎの感はある。

2.警察権力の前トップとして法輪功信者を何万人も死に追いやった責任も問われるべきであろう。警察権力の横暴は、法輪功だけでなく、多くの中国人が憎んでいる点である。

3.一時は四川省に2万人以上の武装した私兵を有していたともいわれ、クーデタを計画した嫌疑もかかっていたし、党を危険に晒した薄熙来のバックとして、周囲から警戒されてもいただろう。

1,2,3のうち、1の不正規模はそれほどスペシャルとは言えない。せいぜい他のメンバーの10倍程度であり、彼が石油閥という特別に巨大な業界を支配していた以上、中国基準ではそれほど異常値と騒ぐほどではないだろう。2は党の正当性を深刻に傷つけるているが、法輪功の件では周のバックに江沢民がいたことから、周や薄熙来だけが暴走したという話でもない。3は確かにスペシャルである。共産党が一致団結して中国を支配し続けるべく、人民の血を流し、自らもアルコール交じりの汗を流して努力しているというのに、周は党を分裂させかねない危険分子であった。

周がスペシャルといえるのは3だけであり、ターゲットにされやすい背景といえるが、一方で周は江沢民派閥の有力者である。また、最近になって前制服組トップの徐才厚らも失脚させられていることを考えると、習近平の本当の狙いは江沢民派閥を黙らせることであり、党と軍を習近平の手にしっかりと握るためのキャンペーンであったと考える。3は真の理由ではあるまい。3は党内上層部の承諾を取り付けるための理由であっただろう。そして、民衆向けには1の理由が取り上げられており、人民は単純にも喜んでいる。習近平、独裁者への道は着々と前進しているかに見える。

しかし、管理人が気になって仕方がないのは、積極的に動き続けている習近平より、「不自然なまでに動きが鈍い」江沢民派の方である。また、時間はかかったものの、結局はクーデター未遂の噂以外、反撃らしい反撃を行わなかったように見える周永康の意図である。凄まじい権力闘争を勝ち抜き、騙し合いの世界で生きてきた彼らが、習近平のキャンペーンに対してこんなにも大人しいことに疑惑を抱いているのである。ルビコンを渡った習近平は、他の常務委員会メンバーをも攻撃対象とするかもしれず、それを警戒されることは当然である。反腐敗キャンペーンの更なるエスカレートは、他の指導部からの反転攻勢に直面することになるだろう。


指導部が荒れている間に、中国は新疆ウイグル自治区での弾圧という歴史的な大間違いを犯している。習近平が主席就任前にウイグルの大弾圧を行って以降の数年間で、ウイグルは急速に不安定化している。反テロの取り締まりとやらは、実態としては民衆が集まることを禁じ、私生活の宗教的慣習に介入、妨害し、さしたる証拠もなく人々を大量に逮捕し、街中で重装備の警察が威圧的に振る舞い、挙句にこの数年間で少なくとも何千人単位のウイグル人を殺害している。いわば民族浄化に近い政策であり、それに反発したウイグル族が反乱を起こし、更に強権的な弾圧が行われるという負の連鎖に突入している。そして、先週からは海外のメディアを一部の地域から完全に追い出し、大量の軍を送り込んだことが確認されており、過去最大の弾圧が行われる模様である。習近平のウイグル政策は、100年の禍根を残す大失策といってよいだろう。今更リカバリーが可能なレベルではなく、どこまで情勢が悪化するか検討がつかないほどである。



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No title

歴史の教科書では、歴代王朝は外戚vs宦官vs科挙官僚の戦いで滅んで行っていましたが、共産中国でも同じような見方は成立するのでしょうか?
江青女史なんかは則天武后や呂后を思わせる外戚パターンで、共産党青年団は科挙官僚っぽい気もするのですが、後宮がな宦官がいない今、古い見方は無理に当てはめず、今風の見方をすべきなのか?
よくわかりません。

私はあまりそういう見方はしていませんね。しかし、本質的には同じことかもしれません。

支配層内部の分裂なくして、体制は倒れないのです。現代中国では、究極的には軍を割るほど支配層が対立するかどうかが決定的でしょう。鄧小平が常務委員会をアンタッチャブルにしていたのは、それをよく理解していたからです。今回、習近平はそのルールが通じない事を明らかにしました。

周永康がスペシャルならば、これで終わり。そうでないなら、ついに支配層が割れる時が来たということだと思います。そして、恐らく周で終わりではないでしょう。

共産党とゲイリブ

ちょっと面白い視点を見つけたので紹介します。ねこ氏は中国人は性に保守的と書かれてたのを思い出しました。
中国共産党がゲイリブを優遇する理由http://jack4afric.exblog.jp/22537416/

No title

>ひでぴょんさん
返信が遅れましたが、ゲイリブを優遇というよりは、ゲイリブ団体を抱き込んでいるのではないですかね。基本的に中国ではすべての社会団体は、党との関係を無視することができませんから、ゲイリブ「団体」もその網からは逃れられなかったのではと思います。
 その記事では成都市のゲイリブ団体を扱っていますが、他の地域でも同じかどうかは怪しいところですね。

むろん、中国にも同性愛者はいますよ。ガチなのは1人しか知りませんが、大学生の間ではファッション・ゲイが特に女性にはやっていた時期があります。聞いた話では、「ハッテン場」もあるそうです。

No title

新疆の弾圧の件ですけど、習主席じきじきの命令でしたか。
チベットにしてもチワン族にしても、少数派の他民族の弾圧は国家主席がこれまでも直接命じてきていることが多いのでしょうか? 党内のもっと下位の者が直接、弾圧の命令や方針の決定等に携わってるのかとなんとなく思ってましたけど。

朝日のあのザマのせいで改めて慰安婦の件がゴウゴウ…ですが、新疆ウイグルもチベットも結局国際的な反応がもうひとつなのって欧米とかでのプロパガンダが足りないからですよね? ユダヤ人みたいなバックがついてたら全然変わってたんですよね。。。
中共が倒れて数年~十数年後にでもならない限りは、チベットもウイグルもチワン族も、惨状がじゅうぶんに明るみに出ることはないんですよね。。。

No title

>黒子さん
チベットは胡錦濤の直属管理です。これはとてもクリアです。チベット弾圧は天安門事件と同年の1989年に一つのピークを迎えています。この時の自治区党委書記が胡錦濤なのです。彼は戒厳令を発令しましたが、これは中国建国以来初めてのことでした。

この強硬な対応が、その数か月後に起こった天安門事件の際に鄧小平らに「功績」として認められ、胡錦濤が江沢民の次の党総書記になることが決まりました。胡錦濤はチベットを弾圧したから、党総書記になれたのです。チベット弾圧がなければ、地方官吏に過ぎない彼が党総書記になれた可能性は皆無です。彼は党総書記になって以降も、チベット問題に関しては他の中央員会メンバーですら口出しを許しませんでした。

習近平も党総書記に指名される前、2009年のウイグル争乱の際に深く関与したと言われていますが、ソースで確認が取れたことはないです。しかし、総書記になってからはウイグル弾圧を直接指示しているので今となってはウイグル問題の直接の責任者と見なしてよいでしょう。ウイグル人の方でも、09年当時の公安トップであった周永康よりも、習近平をターゲットにしているので、ウイグル人も同様に見ているようですね。

中国では少数民族問題はとても大きく深刻な問題なので、下っ端で適当に対処するということはないです。


人間は実際に起きていることではなく、どのような情報を受け取ったかで物事を認識しますから、情報工作、プロパガンダは決定的に重要ですね。日本にしても朝日新聞のネガティブキャンペーンが白日の下にさらされ、他人事ではないですけども。

チベットはダライラマ14世が平和路線を取っていることから、世界の弾圧を受けている諸民族の中では、注目と同情を集めることになかなか成功している方だと思いますが、ウイグルはイスラム系の評価の低さと相まって注目度はとても低いですね。ここ数年で何千人殺されているやら分かったものではないのですが。自分も情勢がここまで荒れる前にウイグルに行っておかなかったことをとても悔やんでいます。

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