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見せかけの勢いと乏しい実効力

内政に経済に外交に強気の態度を内外に取り続けてきた習政権。これまでの流れを振り返ってみると、反腐敗のキャンペーンは前政権トップクラスを含む大物を仕留めるなど目に見えた成果を上げたものの、それ以外の方面では実効的な成果は上がっていないといってよい。

外交面での失敗は今更言うに及ばず、ウイグル人の反乱に対しても強硬な手段を取りながらも、しばしば組織化された大規模な攻撃を許し続けている。中国政府の対ウイグル人政策には、諜報能力、統治能力、鎮圧能力のおそらくすべてに欠陥を抱えている。大軍を送り込み監視を強化している中で、9/25に再び大規模な攻撃を許したことから、強気一辺倒で臨んでいる割には、穴だらけでさしたる成果も上がっていないようだ。現場の士気が低いのか、それとも専門的な知識もないままに効果の薄いことばかりやっているのか、いずれにしても中国政府はウイグルのコントロールするための能力不足を露呈している。

対香港政策でも香港市民による自由な選挙の可能性を否定し、将来の見通しを暗いものとしたことが強い反発を買い、香港市民の抵抗は強まっている。香港の学生らを巻き込み多くの逮捕者も出している抵抗運動がどこまで激化し、中国政府がどのように介入してくるのか非常に注視していく必要があるだろう。香港情勢があまりに激化するようであれば、中国の今後を左右する天安門事件のような決定的な出来事となる可能性もあるだろう。

経済面に目を転じると、過剰生産、過剰在庫の問題を抱え、不動産開発のペースが目に見えて落ちている状況にしては、工業は意外なほど底堅い印象を受ける。ずるずると崩れているのはやはり不動産市場であり、昨年まではバブル退治が政策目標であり、不動産の購入制限などが全国的に行われてきたが、二線級都市の中でこの政策を維持できている都市はすでに存在しないなど、今年はもはや政策による下支えをしても下落傾向を止められないという状況である。この点に関しては中央政府もどうしようもないらしく、特に流れを変えるような政策を打ち出すことはしていない。成長率の低下を「改革優先」などの言葉でごまかすのが精いっぱいのようだ。

最近になって目立つようになったのは外資叩きである。中国政府は不正やカルテル、独占禁止法など様々な口実で外資企業を攻撃しているが、これらは中国の国営企業にこそ最も顕著な性質である。外資叩きの意図は外資に打ち勝てない国内産業を支援するためなのであろうが、外資を叩いたところで中国人消費者自身が中国企業に持つ不信感を拭えるわけではなく、むろん中国企業のレベルがアップするわけでもない。政治が強くなると経済が委縮し、市場原理に代わって政治の論理が跋扈するというだけの話であり、外資叩きは無意味どころか有害なだけである。政治には経済をコントロールすることはできず、できることがあるとすれば市場の邪魔をしないように規制を緩和することだけ、つまり政治を経済に関与させないことだけである。

強面の割には無能が目立つ習政権だが、強気一辺倒の姿勢は弱さの裏返しに過ぎないのだろう。多くの識者が指摘したように、上海閥、太子党、共青団による妥協の産物であった習政権は中共史上最弱の政権である。だからこそ、彼らは強さを見せなければならないのであり、強くなければ倒されてしまうという恐怖と表裏一体なのである。しかし、経済や社会問題は脳筋政策のゴリ押しでは何ともならず、力押しで圧せなかったときにどうするのかという知恵が習政権には見事なまでに欠けている。ウイグル人が中央の権力と警察力に屈しないことはすでに明らかになっているし、香港市民も簡単には従いそうもない。このような状況下で更に強硬策を取ることは、自らの評判を下げ、双方の溝を深くするだけである。しかし、弱さを見せられない習政権は退く余裕がないから、そこに破局の気配が漂うのである。




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テーマ : 中国問題
ジャンル : 政治・経済

tag : チャイナリスク 中国バブル 中国政治 中国社会 中国の内需

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No title

>>力押しで圧せなかったときにどうするのかという知恵が習政権には見事なまでに欠けている
たとえ理解していたとしても後には引き返せないのではないでしょうか、時に力を持ちながら弱腰対応をし続けていた日本が今現在はこうですし
彼らから見ればここで対応を緩めれば「日本の対応は正しく屈するのは下策」という事を中国自身が証明してしまう事にならないでしょうか
外では侵略、内には弾圧、費用はかさむ、されど引くこと適わず・・・以前猫さんが言っていた負のスパイラルに陥っているのは間違いないですし
今の中国はブレーキをかけるわけにいかないトロッコのように見えます
後ろは押し迫る様に崩壊し続けるレールでブレーキをかければ転落
されど加速し続ければいずれ脱線・・・
その際に最後のヤケを起こすのではないかと思っていますが日本は最良の行動で自国にかかる被害を軽減するために動く他ないのかなと
見ていて中国は滅亡間近の国なのではないかなと、もしかしたらあと数年持たないのではとも思ってます

No title

>政宗さん
習本人にはその知恵がないことは確実に思えます。
側近やら他の常任委員には、状況が見えている人もいるかもしれませんが。

強気一辺倒ではまずいと自覚しているなら、やたらに戦線を拡大しないでしょうよ。
一体、何正面作戦やるつもりなのか知りませんが、本当にもう長くはないかもしれませんね。

香港の民主化要求が通る可能性はありませんが、デモを過剰に弾圧したり、逆に調子付かせたりすれば、反習近平の動きが中国の政権内部で起きても不思議ではありません。そうなったら本当に終わりの始まりですね。

No title

中国、内乱勃発して戦国時代に逆戻りもありえますかね?

香港のデモは、元イギリス領の矜持なのか、野蛮な中国と同一視されるのがイヤなのか、大きい混乱はないという話ですね。
これが従来からの中国領内で起こっていたら、略奪祭りかな。

No title

>翠玉さん

内乱の勃発は民衆の暴動やデモが起きるかどうかではなく、指導部が割れるかどうかにかかっています。習は江沢民派閥叩きで恨みも買っていますから、きっかけがあれば、つまり周の弱さが表面化してしまえば、江沢民派閥のカウンター攻勢が始まる可能性があります。そうなったら、もう収拾がつかなくなるでしょうね。今回はかなり崖っぷちだと思います。

香港のデモが秩序立っているのは、デモの正当性にとって秩序ある振舞いがとても重要であることを香港市民が理解しているからですね。中国人にはそういうことが理解できませんから、反日暴動のようなザマになります。

もう一点、台湾の先日のデモのインパクトが大きかったのではないかと思います。台湾のデモは中国人社会との差を見せることに決定的な意義がありましたから、秩序の維持は必須課題でした。香港のデモは体制に対するデモですから必須というわけではないのでしょうが、やはり影響は大きいのではないかと思いますよ。

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